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【天皇杯決勝】浦和のGK塩田が手記「離脱する選手出さないようチームの基準に…それが最年長としての役割」

2021年12月19日 19時57分

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笑顔を見せる宇賀神(左)と浦和・塩田

笑顔を見せる宇賀神(左)と浦和・塩田

◇19日 サッカー 第101回天皇杯全日本選手権・決勝 浦和2―1大分(東京・国立競技場)
 浦和のベテランGK塩田仁史(40)が本紙に手記を寄せた。プロ18年目で公式戦出場は初めてゼロだったが、陰になり日なたになりチームを支え続けた。もどかしさや葛藤を真正面から受け止め、悔いなく身をささげ続けたのは「浦和レッズが強くなるため」という大義を果たすためだった。
   ◇   ◇
 クラブとして、タイトルに懸ける気持ち、アジアに行きたいという気持ち、世界で戦いたいという気持ちが最後に出たと思います。クラブを去るレジェンドが活躍して、若い選手が頼もしく戦ってくれた。未来の浦和を見ることができて、本当にうれしかったです。
 40歳、しかも浦和のようなビッグクラブでもう一度、J1で戦うことは本当に難しいチャレンジでした。もちろん、選手としては試合に出ることが一番。ただ、土田尚史さん(浦和SD)から移籍するに当たって「浦和のためにおまえを呼んだんだ。おまえのためでもあるけど、浦和が強くなるためなんだ」と言われたんです。
 試合に出たいという気持ちは誰よりも強く持っていました。だけど、自問自答して消化すると、自分を犠牲にしてでも「浦和を強くしたい」「チームが勝つために」という思い、気持ちの方が純粋に上回っていました。タイトル、優勝に向かうんだという、プロとして本来、あるべき意識に引き戻してもらえたんです。貢献できたかどうかは分からないけど、土田さんに呼んでもらえて、本当によかったと思っています。感謝しかありません。
 シーズン終盤にかけて練習で控え組にいることが多かった阿部ちゃんや(興梠)慎三、マキ(槙野)、ウガ(宇賀神)は絶対に手を抜くことはありませんでした。だから若い選手も手を抜けない。プレーに付いていこうとする。そういう厳しい姿勢と雰囲気がチームを育てたように思います。
 準決勝前日。先発組が引き揚げた後、マキはFWよりもシュート練習をしていました。引っ張られるように10人くらいがグラウンドに残って練習しているんです。常に勝つことを欲し、そこに行き着こうと、選手たちは技術力を求めて練習する。そこには必ず意識の高い手本となる選手がいました。
 自分も最年長として基準になるよう心掛けました。姿勢、準備、言動。ピッチやロッカー、クラブハウスで隙を見せないようにずっとやってきました。自分が規律、基準になることでチームから少しでもはみ出したり、離脱したりする選手を出さないようにする。それが最年長としての役割だと思っていました。
 試合に出られず、うまくいかない時には矢印が自分以外に向きそうになることもあります。でも、時間を置いて、自分に矢印を向け直して1年間やってきました。自分自身も心がすさみ、集中し切れない時期を経験してきて、今がある。苦労しかしていないようなキャリアです。だから、みんなの悔しい思いも受け止めながら「それでも、やらなくちゃいけないんだ」という姿勢を見せて戦ってきました。チームが先に進むため、立ち止まる選手がいないように見てきたつもりです。
 (西川)周作と(鈴木)彩艶には「試合前日までは3人で競争して、試合では出場する選手を全力でサポートしよう」と言いました。試合に出ている選手だけではチームは成り立たない。控えの選手、ベンチ外の選手、チームスタッフ、クラブスタッフなどいろいろな人、さまざまな要素があって、チャンピオンにたどり着くことができるんだと思います。浦和の一員として、その過程にかかわり、見ることができたのは、自分にとってはとても大きな財産です。(浦和レッズGK)

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