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野球を辞めるかプロにいけるか…中日1位ブライト健太、プライドを捨て弱い自分と決別した大学3年の冬

2021年12月19日 07時49分

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上武大―神奈川大 神奈川大にサヨナラ負けし、土井のホームランボールを手にぼう然とする上武大・ブライト健太(右)=11月3日、横浜スタジアムで

上武大―神奈川大 神奈川大にサヨナラ負けし、土井のホームランボールを手にぼう然とする上武大・ブライト健太(右)=11月3日、横浜スタジアムで

中日ドラゴンズ「新時代の旗手2022」ブライト健太(下)

 新人6選手が新たにドラゴンズの一員となった。未来を担う逸材たちはこれまで何を思い、どんな道を歩んできたのか。連載「新時代の旗手2022」で紹介する。1人目はドラフト1位の上武大・ブライト健太外野手(22)。その原点に(上)(下)2回で迫る。
 チームメートが泣き崩れる中、健太は涙をぐっとこらえ、スタンドから跳ね返ってきたホームランボールを拾いあげた。そのまま打った神奈川大の4番・土井に自らの手で届けに。「大事な場面で打ったことを尊敬しますし、ありがとうという気持ちで渡しました」
 2021年11月3日。明治神宮大会の切符がかかった関東大学選手権準決勝の神奈川大戦。健太の大学野球はまさかのサヨナラ2ラン被弾で幕を閉じた。4番で出場しながら3三振。1年前までなら打てなかった自分に腹を立てていた。だが、自分本位の弱い姿はもうなかった。上武大の谷口英規監督(52)は「うれしかったですね。人間的にもプレーヤー的にも成長した姿を見せてくれて」。大学野球の集大成を行動で示した。
 都立葛飾野高では通算38本塁打を放つ実力も、決して順風満帆ではない大学野球だった。それまでの実家暮らしから200人以上の寮生活。環境の変化に入学時85キロあった体重はわずか2カ月で72キロまで激減した。さらに3年時まではリーグ戦無安打。どれだけ長く練習しようと、結果がでない。時には、ぶつけどころのないフラストレーションを試合中に見せてしまう弱い一面もあった。3年秋のリーグ戦。代打で出場し、空振り三振に倒れるとベンチで「クソッ」と叫んだ。そんな姿に谷口監督は「心の弱い奴の象徴だな」と突き放した。
 そんな健太が変わったのは3年冬。「このままではプロになれない」。そんな危機感から、プライドなどかなぐり捨てた。1年生だろうと自分より優れていると思えばアドバイスをもらう。「野球を辞めるかプロにいけるかの2つに1つ」。なりふりなど構っていられなかった。
 シーズンが始まると、これまでの練習の成果が徐々に出始めた。3年時から取り入れた歩行スイングにより、打撃に間ができタイミングの取り方が向上。苦手だった外の逃げる変化球に対応できた。6月、全日本大学選手権の桜美林大戦。真っすぐ待ちからスライダーを完璧に捉え、対応力も身につけた。同大会でブレーク、プロへの扉を一気に開いた。紆余(うよ)曲折を経てつかんだ確かな成長。その反骨心で立ちふさがる壁も突破していく。
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