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【企画・NAGOYA発】激変する“ガンダムビジネス” ビデオやDVDをへて今や国内外への配信が大きな収入源に

2021年12月13日 12時09分

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今年3月、イオンナゴヤドーム前店にオープンした「ガンダムベース」


◇第2回「機動戦士ガンダム」(その4)
◇今年「ガンダムベース」がオープン
 世界でも絶大な人気を誇るアニメシリーズ「機動戦士ガンダム」。1979(昭和54)年に放送が始まったが、制作したのは東京のアニメ制作会社「日本サンライズ(現サンライズ)」と名古屋市にあるテレビ朝日系列の名古屋テレビ(メ~テレ)だった。ガンダムのコンテンツビジネスは放送開始から42年経過した現在でも成長を続けている。
  ◇  ◇  ◇
 1979年4月に名古屋テレビ制作の全国ネットアニメ「機動戦士ガンダム」第1シリーズが世に送りだされて42年。今年3月、「生まれ故郷」の名古屋市内にあるショッピングセンター「イオンナゴヤドーム前店」に、プラモデルを中心とした多彩なガンダム商品が並ぶ店舗「ガンダムベース」がオープンした。
 放送開始当時は影も形もなかったインターネットやスマートフォンの急速な普及で、アニメを含むコンテンツビジネスは激変した。第1シリーズ当時、関連玩具の販売が主な収益源だったビジネスモデルは、ビデオやDVDをへて、今や国内外への配信が大きな収入源となっている。
 だが、購買力の高い「第1世代」が、プラモデルを通して今もコンテンツを支えているのも事実だ。「ガンダムベース」はバンダイナムコグループが運営するゲームセンターの一角の約70坪のスペースに展開しているが、店内では「ガンダム世代」の大人たちの方が目を輝かせ、プラモデルを品定めしている。
◇若い人に刺激的な作品を
 アニメ制作会社サンライズでガンダムエグゼクティブプロデューサーを務める佐々木新・常務取締役(49)は「サンライズにとって一番のビッグコンテンツ。初回作から42年がたち、当時の中高生が60歳に近づき、その子どもたちを含め、さまざまな層に広がったファンに支えられています。一方で、ガンダムはSF作品であり、ティーンエージャーがワクワクするという根本的な性質がある。これからも若い人に刺激的な作品を送り届けたい」と、さらなる意欲を語る。

ガンダムの世界戦略を語るサンライズの佐々木新常務取締役(c)創通・サンライズ


 コンテンツビジネスへの基本姿勢についても「(かつて収益を支えていた)ビデオパッケージが売れなくなっているなど時代とともに変化している。ただ、よくコンテンツビジネスとして語られるが、やはり真ん中にあるのはクリエーティブである作品。厳しい言い方だが、それがつまらなければ人の心をひくことはできない」と指摘した。
 ガンダムの活躍の場はもはや地球規模だ。10月からアラブ首長国連邦のドバイで開催されている国際博覧会の日本館PRアンバサダーにガンダムが採用された。バンダイナムコグループが運営する無料配信「ガンダムインフォ」も世界数十カ国に広がっている。
◇名古屋の会社からでも世界へ
 一方、2022年で開局から60年を迎える名古屋テレビでも、新たな時代に向けたコンテンツビジネスへ果敢にチャレンジしている。
 16年にアニメ「ガンダムユニコーンRE:0096」のプロデューサーを務めた服部保彦コンテンツプロデュース部東京担当部長(49)は「誰もがスマホで自分の好きなコンテンツを選んで見られる時代。簡単に作れる映像があふれかえる中で、名古屋テレビはどういうコンテンツを作っていくのか。ガンダム第1作当時もそうだが、他がやっていない挑戦、作り手の熱量が最も大事」と熱い思いを語る。

コンテンツプロデュースで手掛けた珠玉の映画作品のポスターの前に立つ名古屋テレビ(メ~テレ)の服部保彦部長


 同局は17年を最後にアニメ制作からは離れているが、現在は実写映画の制作に取り組んでいる。
 故・樹木希林さん最後の単独主演作「あん」(15年・河瀬直美監督)、「淵に立つ」(16年・深田晃司監督)、「寝ても覚めても」(18年・濱口竜介監督)、「本気のしるし」(20年・深田晃司監督)の3作が仏カンヌ映画祭に、「勝手にふるえてろ」(17年・大九明子監督)、「愛がなんだ」(19年・今泉力哉監督)が東京国際映画祭にノミネートされるなど世界に認められる作品を「メ~テレシネマ」として送り出している。
 服部さんは「名古屋の会社からでも世界に届くヒットタイトルを生み出せる」。ガンダムを生んだチャレンジングスピリットは、時代を超えて生き続けている。
(佐藤芳雄)=終わり

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