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豊鉄の経験を次世代型電車に 宇都宮に23年開業、運転士を豊橋で養成

2021年12月11日 05時00分 (12月12日 10時24分更新)
安全確認をする畑中さん=豊橋市東田町で

安全確認をする畑中さん=豊橋市東田町で

  • 安全確認をする畑中さん=豊橋市東田町で
  • 2023年に運行開始予定のLRT車両=宇都宮市で(宇都宮市LRT企画課提供)
 豊橋鉄道(豊橋市)の市内線で、二〇二三年三月に宇都宮市で開業する次世代型路面電車(LRT)の運転士候補生が研修を受けている。豊鉄が他の鉄道会社の運転士の養成を進めるのは初。ハンドルレバーを握る経験を積みながら、「豊橋で学んだ技術を、宇都宮に持ち帰りたい」と意気込んでいる。
 「圧力よし、進行」。畑中真人(まひと)さん(28)が声を出して安全確認をすると、車両が動きだした。「市電」の愛称で親しまれる、市内線はワンマン運転のため、乗客の問い合わせや料金支払いにも追われる。「一度にいくつものことをやらなければいけないので、なかなか慣れない」と話す。
 LRTは第三セクターの宇都宮ライトレールが運営し、JR宇都宮駅と宇都宮市の東隣にある芳賀町の工業団地方面を結ぶ全長約十五キロの新路面。国内で軌道が新設されるのは一九四八(昭和二十三)年の万葉線高岡軌道線(富山県)以来で、既存の軌道を活用せず、LRTを整備するのは日本で初めてとなる。
 運転士候補生の約四十人は広島電鉄(広島市)や岡山電気軌道(岡山市)など八社に分かれて研修を進めている。豊鉄も昨年十二月に畑中さんら二人、今年十二月から新たに二人の計四人を受け入れている。豊鉄の担当者は「新しく路面電車ができることはうれしい。打診を断る理由はなかった」と歓迎している。
 畑中さんらは豊橋に来て電車の仕組みや関係する法令を学んだ後、三月から先輩の運転士に同行する形で実技研修に臨んできた。国家試験に合格したため、七月から独り立ちし、現在は一日十便ほど乗客を乗せて業務に当たっている。
 研修を受けている四人は、いずれも他の鉄道会社からの転職組。畑中さんも以前、他社で運転士を務めていたが、市電は道路内を走るため、目を配らなければいけない点が増える。畑中さんは「車や歩行者、周りの動きを確認しなければいけないので、通常の電車よりも難しい」と感じている。
 研修は来年五月まで続く予定。畑中さんは「定刻通り、乗客を安全に目的地まで届けることが運転士の仕事。しっかり学び、不安なく宇都宮に帰れるように努力したい」と決意を述べた。
 (斎藤徹)

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