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年縞研究者と行くクルーズツアー 三方五湖で来年4月

2021年12月11日 05時00分 (12月12日 10時21分更新)
クルーズ船の船内で年縞について語る中川さん=若狭町の水月湖で

クルーズ船の船内で年縞について語る中川さん=若狭町の水月湖で

 世界一長い年縞が発掘された若狭町の水月湖をクルーズ船で巡り、研究者の話を聞きながら地球環境について考える―。県観光連盟は年縞にスポットを当て、若狭町と美浜町にまたがる三方五湖の魅力を満喫する二泊三日のツアーを計画している。来年四月からの本格展開に向け今月八日から十日にかけて大学教授や旅行会社社員ら十人を招いて意見を聞くツアーが組まれた。
 県観光連盟が環境省の補助金を受け展開する「年縞を核としたサスティナブルツーリズムの確立」事業の一環。二〇二四年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、三方五湖エリアでの滞在型ツアーを目指している。
 年縞は、長い年月の間に湖沼などに堆積した地層が描く特徴的なしま模様。一年に一層形成され、「年代のものさし」とも呼ばれる。年縞に含まれる花粉や火山灰などから過去の気温や降水量、火山活動などを知ることができる。
 十日のクルーズは朝食付の約四十五分間。年縞研究第一人者の立命館大教授の中川毅さん(古気候学)が案内役を務めた。
 水月湖では、二〇〇六年に中川さんが中心となり湖底から長さ四十五メートル、七万年分の歴史が詰まった年縞の完全な採取に成功した。ツアーではその地点に船を止め、「水月湖のどこを掘れば年縞を採取できるかは運だった。たまたま湖の真ん中を掘ったら出た」と当時を振り返った。
 さらに「水深が何万年も保たれ、なおかつ湖面が静かな湖でないと年縞は採取できない」と説明し、水月湖を「特殊な湖」と表現。掘削時の裏話やエピソードも交えて分かりやすく湖や年縞の魅力を紹介した。
 ツアーはクルーズのほかに初日は熊川宿、二日目には年縞博物館やレインボーラインを巡った。
 参加した楽天グループで旅行など地域創生事業を担当する須多康太さん(32)は「湖上で研究について聞けるのは臨場感があってわくわくする」と高く評価した。中川さんは「現場で実感することの価値を感じていただけたと思う」と反応に手応えを感じていた。
 県観光連盟では今回のツアーで出た意見や課題を基に改めて旅程を検討し、地元の受け入れ態勢を整え、来年四月から本格ツアーを展開する方針。
 (林侑太郎)

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