本文へ移動

栗東CWコース自動計測、ラスト1Fが速く出るのはなぜか【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】

2021年12月10日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
競馬は科学だ

競馬は科学だ

  • 競馬は科学だ
  • 栗東スタンド日刊紙室から見たCWコース1F標。内(橙色)と外(白と水色のストライプ)は左右にかなり離れている。
◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 今週から栗東でもCWコースのタイム自動計測が本運用されている。春から先行運用の美浦でも言われていたが、従来の手動計測と比べ、出てくる時計がずいぶん違っている。
 6Fや5F起点の、いわゆる「全体の時計」は、おおむね一致するが、ラスト1Fは自動計測の方がかなり速い。栗東CWの場合、手動計測では1F12秒を割るような時計はまれだったが、栗東本運用開始後初の追い切り集中日となった8日は11秒台が当たり前。最速はレッドガラン(牡6歳、オープン、栗東・安田隆)の10秒9だった。
 レッドガランのキャリア19戦で最終追い切りが栗東CWだったのはデビュー当初の2戦。この時の1Fは「11秒7」と「11秒6」だった。おおよそ0秒5くらい、自動計測の方が速い。
 全体の時計はほぼずれず1Fだけ速い。手動計測の専門紙時計班は熟練の職人がそろう。押すタイミングの一貫性には信頼が置ける。ならば理由は明らかだ。手動計測で「1Fはここで押すべし」とされていたタイミングが早かった。
 1F標はスタンドからの観測者視点ではコースの内外に離れて見える。手動計測では、馬が外のハロン棒と重なったタイミングで押されていたが、例えばコースの中央を走る馬が1F地点を通過するのは、観測者視点で内外のハロン棒の中間点を通過したときだ。7分どころでは内から7:3、9分どころなら9:1。幾何学的に当然の道理だ。
 一部で「スタンド位置が高いから」という説明がされているようだが、タイミングのずれには観測者と馬の位置関係における水平方向成分しか関与し得ない。
 試しに9日、追い切りをかけた速度で、内外の1F標と馬が一致するタイミングのギャップを手動計測してみた。外のハロン棒一致から内のハロン棒一致まで、自動計測11秒台半ばの馬で1秒5前後。7分どころをフルギャロップの馬で0秒5ずれるというのと、おおむね計算が一致する。
 興味深いのは、今後も手動計測が続く、東西のW以外のコースや、ローカル滞在時計が変遷するかどうかだ。専門紙時計班が「押すべきタイミング」を“正しく”修正していくのか。時計全体の傾向を注視していく必要がある。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ