病克服 鶴来に恩返し 2011年移住のいしだ壱成さん

2020年5月18日 02時00分 (5月27日 03時56分更新)

白山市に移住し、耕作放棄地の再生に取り組むいしだ壱成さん=同市鶴来朝日町で

住民や妻が支えに 荒れ地再生など取り組み

 俳優のいしだ壱成(いっせい)さん(45)が二〇一一年から白山市鶴来地域に移住し、耕作放棄地の再生や古民家を改装したシェアハウスを企画して地域の活性化に取り組んでいる。「うつ病を発症し、一時は精神的にも追い詰められた」と振り返るいしださん。支えたのは、妻で女優の飯村貴子さん(21)や地元住民との交流だった。(吉田拓海)
 いしださんは一九七四(昭和四十九)年、俳優の石田純一さんの長男として東京都に生まれた。幼少期を鹿児島県の屋久島などで過ごし、その後はテレビドラマの主演など俳優として活動している。
 白山市に移住したのは、二〇一一年、東日本大震災の原発事故に衝撃を受けたのがきっかけ。「都会の暮らしに疑問が生じた」と振り返る。小松市に住む友人から勧められ、自然豊かで古い日本家屋が残る鶴来地域への移住を決めた。
 仕事が見つからず、うつ病を患った時期も。「家から一歩も出られなかった。自ら命を絶つことも考えたが、妻子の支えのおかげで踏みとどまることができた」と涙ぐむ。
 飲食店「ラーメン食堂996 biker’s(バイカーズ)」=白山市鶴来新町=を経営する知人の沢田一郎さん(47)から「まずは環境を変えるべきだ」とアドバイスを受けて少しずつ回復。いしださんは「目標ができたことで、生きる実感がわいた」と語る。
 現在は沢田さんに協力し、沢田さん所有の同市鶴来朝日町の耕作放棄地約三百平方メートルの再生に取り組んでいる。荒れた畑を耕し、トマトなどの野菜を育てて販売するのが目標だ。沢田さんのラーメン店の二階部分を改装し、シェアハウスも計画している。
 いしださんは「石川県は居心地がよく、水がきれいで人も優しい」と話す。将来は、芸能活動を通じて地元に恩返しするのが夢だという。「鶴来を舞台に国際的な映画祭を開きたい。海外の映画関係者の反応も良好」と笑顔を見せた。

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