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さばえ文化振興事業団(福井県鯖江市)芸術や福祉 企画で後押し

2021年12月7日 05時00分 (12月7日 13時17分更新)
エコドライブがテーマの創作落語で、観客を楽しませる瓢家萬月さん=2019年8月20日、福井県鯖江市文化の館で

エコドライブがテーマの創作落語で、観客を楽しませる瓢家萬月さん=2019年8月20日、福井県鯖江市文化の館で

  • エコドライブがテーマの創作落語で、観客を楽しませる瓢家萬月さん=2019年8月20日、福井県鯖江市文化の館で

創作落語 エコなオチ

 運転が荒いタクシー運転手に乗客が諭す。「五秒間かけて時速二十キロまで加速すれば、10%燃費がよくなる」。福井市出身のアマチュア落語家、瓢家萬月(ひさごやまんげつ)さんが地球温暖化をテーマにした創作落語を披露すると、老若男女がエコについて学びながら笑顔になる。
 瓢家さんの落語会は福井県鯖江市の「さばえ文化振興事業団」による企画の一つ。発案した代表理事の鈴木早苗さん(60)=同市=は温暖化防止について解説する講師を務めているが「瓢家さんの落語は面白くて分かりやすい。これにはかなわないと思った」と企画の理由を振り返る。今では吉本興業(大阪市)のお笑い芸人らを交えるなどして、人気の落語会に成長している。
 この事業団は二年前に鯖江市の有志らで設立。まちづくりや商工関係など、多様な活動に携わるメンバーが「手作り」の企画で、鯖江の文化活動を後押ししようと集結した。人形浄瑠璃を手掛ける同市立待地区の市民団体「近松座」の公演企画などから活動をスタートさせた。人形浄瑠璃作家、近松門左衛門が市にゆかりのあることにちなんだ団体で、鈴木さんは「立待地区外でも市民の目に触れる場をつくりたかった」と語る。
 活動を進める上で、SDGsの理念や「多様性」は強く意識し、地域の文化・芸術の継承や福祉向上に役立つ事業を進めている。
 今年四月には右半身まひにより、左手一本で演奏するピアニスト舘野泉さんらを招いたコンサートも成功させた。「環境と落語」「障害と音楽」など来場者が考え、学びながら楽しめる企画を意識している。企画は手探りが続くが、鈴木さんは「スタッフが熱量を持って活動すれば、お客さんにも伝わるはず。仲間を増やしながら『来て良かった』と思ってもらえるような企画を、みんなで考えていきたい」と意欲を見せている。(玉田能成)

【団体メモ】福井県鯖江市などの有志で2019年6月に設立した一般社団法人。吉本興業ホールディングス元副社長の清水英明さん(鯖江市出身)も会員の一人。20年8月に同県の「ふくいSDGsパートナー」に登録。現在の会員は33人。

【SDGs】「誰一人取り残さない」という考え方のもと、人種や性別、地域などを超えて地球上のみんながそろって幸せになることを目指す国連の目標。「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」など17のテーマ別の目標がある。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。


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