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【石川】「全日本相撲」中村初V アマ横綱 津幡出身、日体大3年  

2021年12月6日 05時00分 (12月6日 14時20分更新)
優勝して喜ぶ日体大の中村泰輝選手=5日、東京・両国国技館で

優勝して喜ぶ日体大の中村泰輝選手=5日、東京・両国国技館で

「我慢学び 大器再び」
「1年時 学生横綱 復活の戴冠」 

 相撲の第七十回全日本選手権は五日、東京・両国国技館で行われ、石川県津幡町出身で一昨年の学生横綱の中村泰輝(だいき)選手(日体大)が、決勝で神崎大河選手(近大)を寄り切って初優勝し、アマチュア横綱に輝いた。昨年の花田秀虎選手に続き、日体大勢が二年連続で制した。
 優勝した中村選手は一九二センチ、一七〇キロの体格を誇る二十一歳。一昨年の学生横綱に続くビッグタイトルを獲得した。
 「変わろうと思った一年だった。久々に光を浴びた感じがした」と、こみ上げる涙をぬぐった。
 準々決勝で高校生の落合選手を上手投げで退け、準決勝は強烈な左はず押しからオドフー選手を突き出した。決勝では神崎選手の突きをさばき、右下手を引くと腰を下ろした盤石の寄りで頂点に立った。総合力の高さを見事に示した。
 新潟・海洋高時代から注目された逸材。分岐点は昨年のこの大会だった。ベスト8で敗退し、一学年後輩の花田選手の優勝を見守った。「吹っ飛ばされてどん底を味わった。相撲が怖くなった」と率直に明かした。
 失意から抜け出すために、日体大の斎藤一雄監督は我慢の重要性を説いた。教え子は誰よりもぶつかり稽古をして精神的な粘り強さを磨いてきた。斎藤監督は「将来は大相撲の横綱を目指す。ここは単なる通過点」とうなずいた。
 この日、津幡町では新型コロナウイルスの影響で延期されていた成人式が行われた。「地元のみんなにいい報告ができる。さらに強くなって来年も勝ちたい」。晴れ晴れとした笑顔で言い切った。
 二〇一八年には富山県高岡市出身で石川・金沢学院東高卒の黒川宏次朗選手(拓大職員)がアマチュア横綱に輝いているが、石川県出身者の優勝は一二年の穴水町出身の遠藤聖大選手(日大四年、現在の幕内遠藤関)以来。
 三年生の中村選手は準々決勝で高校横綱の落合哲也選手(鳥取城北高)を上手投げで下し、準決勝でボルドバートル・オドフー選手(東洋大)を突き出した。
 二連覇を狙った花田選手は準々決勝で敗退した。

「頂点立てて、最高」

 「頂点に立てて、最高です」。大会後、本紙の取材に中村選手が気持ちを爆発させた。見に来ていた父の知幸さん(45)と優勝祝いの食事をした。知幸さんは優勝に「ありがとうしか言えない」とねぎらった。
 津幡町少年相撲教室で小学一年生から相撲を始めた。中学からは県外で励んだが、逆境も多かったという。知幸さんは「昨年は勝たなきゃというプレッシャーに押されて、心が乱れていた。新型コロナウイルス禍で試合が減ってしまったけど、今年はどっしり構えていた。すべて報われた気持ち」と誇らしげ。「大会中も落ち着いていた」と振り返る。
 プロへの道が期待される中村選手だが、知幸さんは「来年は(大学で)チームのために、また頑張ると思う。プロになったら、馬力を生かした唯一無二の力士になってほしい」と期待を込めた。

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