本文へ移動

故郷金沢で醸す クラフトビール 「ブルークラシック」来月販売開始へ

2021年12月4日 05時00分 (12月4日 10時02分更新)
「地元を盛り上げるクラフトビールを造りたい」と話す酒尾さん=金沢市で

「地元を盛り上げるクラフトビールを造りたい」と話す酒尾さん=金沢市で

酒尾さん起業「地元盛り上げたい」

 金沢市の金沢港近くに自家培養の酵母にこだわった新しいクラフトビールの醸造所「BREW CLASSIC(ブルークラシック)」が開業した。代表の酒尾壮典(たけのり)さん(36)=金沢市出身=は「長く愛されるようにと『クラシック』を社名に入れた。クラフトビール造りを通じ故郷を盛り上げたい」と意気込む。六日ごろ仕込みを始め、来年一月中旬に自社のホームページで販売する。 (高岡涼子)
 酒尾さんの父親は造園業を営んでいた。幼い頃から兼六園や街路樹に雪つりを施す姿を見て育ったため郷土愛は人一倍強く、「いずれ故郷を盛り上げる仕事をしたい」と漠然と思い描いていたという。
 大学卒業後はいったん東京で就職。経営学修士の取得を目指してビジネススクールに通っていた際、米国には自社の設備を持たず、他社に醸造を委託しているクラフトビール会社があることを知った。
 「委託醸造」という耳慣れない手法に興味を持つとともに、その会社のビールを口にしておいしさに衝撃を受けた。北陸ではまだクラフトビール造りが盛んではなく「自分好みのビールを造ろう」と起業を決意。仕事の合間を縫って全国の醸造所を見学して回った。
 二〇一八年に帰郷し、金沢市内の会社に転職。貯金をはたいて購入したトラックで地域を巡り、委託製造したクラフトビールを販売する事業を副業で始めた。今年十月に退職。妻と知人のビール職人とで石川県内で五軒目という醸造所を立ち上げた。
 第一弾でホップの香りを利かせたエールビールの「IPA」三種類と、苦みの強いスッキリとした味わいのラガービールの「IPL」一種類を製造、販売する。酵母の鮮度を保つことできれいな味わいのビールになるといい、麦汁の仕込み一回ごとに酵母を入れ替える。価格はいずれも六百円の予定。
 目標は、直売所やバーを開設すること。酒尾さんは「気軽に手に取ってもらう場所を作りたい。地域の人に、おいしいビールのあるところに住んでいて良かったと言ってもらえる街にしていきたい」と夢を語った。

家飲みも追い風 年々高まる人気

 全国的にもクラフトビール人気は年々高まりつつある。東京商工リサーチ(東京)の二〇二一年調査(一〜八月)によると、出荷量は前年比7・7%増。二〇年はコロナ禍でいったん落ち込んだものの、ここ十年は増加傾向が続く。担当者は「コロナ禍で家飲みが増える中、自分の好みに合ったものを探しながらクラフトビールを楽しむ傾向があった。地産地消にこだわったビールは地方創生にも貢献しており、人気は根強い」と話す。

関連キーワード

おすすめ情報

ほくりく経済 政治の新着

記事一覧