羽島市旧本庁舎「利用目的ない」 あり方検討委で市側
2021年12月2日 05時00分 (12月2日 13時22分更新)
羽島市出身の著名な建築家坂倉準三(一九〇一〜六九年)が設計した同市役所旧本庁舎の来年度以降のあり方を検討する委員会が一日、新庁舎で開かれた。市は旧本庁舎について「現段階において利用目的はない」との考えを表明。文化財指定についても言及されたが、委員からは耐震工事費や維持費を懸念する声が相次いだ。(高野正憲)
市は、旧本庁舎の耐震強度が一般公共建築物の基準を満たさないため、財産区分を「用途廃止」にしたと説明。耐震工事をした上で国の文化財指定を受けるには、手続きに七年ほど時間がかかり、指定されても維持費の補助を受けられるかは分からないと強調した。
委員からは「古い物を残すのも良いことだが、市民の税負担になれば意味がない。残したい人が独立して事業化するのであれば意義はある」「市民から保存を求める声は出ていないかもしれないが、関心はあると思う」などの意見が出た。
委員長を務める岐阜大の内田裕市教授(土木工学)は取材に「残すには耐震の問題があり、機能を持たせるにしても、文化財にするにしても、有効活用できずに金銭的に負担が大きいという認識を共有できたのでは」と話した。
あり方検討委は、事務局の市が...
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