満塁で『打率8割』…ビシエドの驚異の数字が語る“中日打線の闇” 少なすぎる7打席で宝の持ち腐れに
2021年12月2日 10時09分
◇渋谷真『数字は語る~2021年竜戦士』その2
打率8割。ダヤン・ビシエドが残した数字は、今季の満塁での成績である。これは両リーグの規定打席到達者61人の中で、トップだった。
「とにかく打てる球を待って、いいスイングをすることを心掛けているんだ。積極的にいくということももちろん大切だけど、打てる球をいかに集中して待つかはもっと大切。だから時には我慢も必要だね」
好球必打。ビシエドのそんなスタイルは、満塁でも変わらない。5打数4安打、10打点。ただ、光り輝くこの数字は、その裏にチームが抱える闇を浮かび上がらせている。犠飛と四球を合わせても、ビシエドの満塁での打席はたったの7。分母が少なすぎるのだ。61人中、最多はヤクルト・村上、オスナ、楽天・島内の22。ビシエドより少ないのは5人しかいない。
相手バッテリーは、こう考えている。「ビシエドの前に走者さえためなければ、この打線は何とかなる」と。その結果が「7」という満塁での打席数。そして、次に考えるのは「ビシエドとの勝負さえ避けられれば、この打線は何とかなる」ということだ。
ビシエドの今季の敬遠数は、リーグ2位の9。悲しいことに、次打者は誰もヒットを打つことができなかった。7打数で犠飛と四球が1つずつ。判で押したように、相手の敬遠策は成功した。
「確かに今年は満塁での打席は少なかったね。得点圏に走者がいる時には、そのチャンスを何とかモノにできるよう、一段と集中力を上げていきたいと思っているんだ」
せっかくの満塁男も、宝の持ち腐れ。ビシエドより前は彼に満塁を供給できず、ビシエドの後は敬遠で巡ってきた好機に凡退を重ねた。
貧打の図式。ヤクルトは山田を村上がプロテクトし、オリックスには吉田正の後ろに杉本がいた。リーグ覇者が教えてくれる。打線は点ではなく線であれ―。
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