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中日産業技術賞 中日新聞社賞 パイフォトニクス 多様な光パターンのLED

2021年12月2日 05時00分 (12月2日 10時49分更新)

まぶしさで勝負 遠くまで

製品を開発した池田貴裕社長(中央)とパイフォトニクスの皆さん=浜松市東区の同社で

 狙った遠くの場所に強い光を放つ発光ダイオード(LED)の照明装置。「ホロライト」と名付けて2008年に発売し、直線や円環、十字、矢印など浮かび上がらせる光の形状によって製品をシリーズ化。幅広い用途で利用されている。
 光関連機器製造の浜松ホトニクス(浜松市)を経て06年に起業した池田貴裕社長(46)が、ホログラム(立体画像)を浮かび上がらせる照明の製作を知人に依頼されたことが開発のきっかけ。その際、LEDがまぶしい光を直線的に放つ性質に優れていることに気づいた。
 「皆はまぶしさを減らして照明を作ろうとしたが、僕はまぶしさで勝負しようと考えた」
 一般的な照明は光を広範囲に拡散して周囲を明るくするが、ホロライトは独自設計の特殊なレンズを使い、光の広がる角度をわずか一度に狭めることに成功。狭く絞った強い光が、50メートル先の暗闇でも1メートルの範囲を照らし出す。レンズを通してフィルムに被写体を結像するカメラの仕組みと似ており、レンズで集めた光を遠くで収束させることで、くっきりと見やすい光を届ける。さらにレンズの構造やLEDの種類を変えることで、光の形状や色を自在に変えられる。
 ただ、製品化してみたものの当初は使い道が分からなかった。そこで、年間20件もの展示会に出展して来場者の反応を探り、光を当てることで目視では難しい傷の有無を調べる検査用や、テレビやイベントでの演出用といった使い道を開拓。「用途はお客さんに教えてもらった」とほほ笑む。
 近年は工場内の危険箇所を知らせる啓発用としての需要が増え、累計約13億円の売り上げの6割を工場向けが占める。今年は高速で点滅する光で鳥獣を追い払う製品を開発し、定額で貸し出す事業も始めた。「用途は無限大。今後もひらめきや顧客のニーズを実現していきたい」と意欲を燃やす。 (中平雄大)

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