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1割4分3厘…中日・柳の圧倒的に優れた2ストライク後の被打率「フルカウントは“自分のカウント”でした」

2021年12月1日 10時18分

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柳裕也

柳裕也

◇渋谷真『数字は語る~2021年竜戦士』その1
 数字はアスリートにとっての足跡だ。現在地はもちろん、たどっていけば過去がわかり、未来が見えてくる。竜戦士11人の足跡は、何を語っているのか。第1回は2冠王に輝いた柳裕也投手(27)の数字を掘り起こす。
 1割4分3厘という数字が語るのは、投手・柳の強みだ。今季、防御率と奪三振の2冠に輝いた右腕は、2ストライク後の被打率が圧倒的に優れていた。セ・リーグの規定投球回数到達者9人の中でトップであり、392打席という分母も最多。パ・リーグ(14人)に広げても、柳を上回るのは沢村賞右腕のオリックス・山本(1割1分2厘、422打席)だけ。前年比(1割9分6厘)も格段に良くなっている。
 「三振をたくさん取れたことと通じるんでしょうけど、今年はシンカーで勝負できるようになったことは大きいと思います。それによって他の球種も生きた。打者は考えることが多くなったと思うんです」
 ストレート、カットボール、スライダー、カーブにシンカー。どれもが決め球になり得る柳だけに、2ストライクはすなわちマウントポジションだ。自己分析を聞く過程で、柳がこう尋ねてきた。「僕、フルカウントが多くなかったですか?」。確かに132打席は両リーグ最多だった。
 「やっぱり!僕の中ではボールが先行して、カウントを整えた結果。嫌じゃなかったし、感覚としては『自分のカウント』でした」
 投球術と配球にたけており、球数を費やしても追い込んでしまえば柳の勝ち。逆に弱かったのが初球である。被打率3割5分8厘は9人中8位だった。
 「追い込んだ時は、そこまでのプロセスや駆け引きがある。でも、初球は打者を迷わせられないというか、考えさせることができないんですね。打者が球種を絞ってきている感じです」
 野村克也さんは12種類あるカウントの中で「最も難しいのは初球だ」と言っていた。打者の反応など「根拠がないから」だと。柳が初球に打たれる理由も、恐らくはここにある。積極的に振ってくる打者を1球で打ち取れるようになれば、完投数や投球イニングもさらに増えてくるはずだ。

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