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【石川】入国禁止 しぼむ期待 オミクロン株 北陸にも影響

2021年11月30日 05時00分 (11月30日 09時58分更新)
 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急拡大を受けて、全世界を対象に三十日に禁止された外国人の入国。「当面一カ月」が期間だが、技能実習生や留学生の入国緩和はたった三週間で停止される事態となった。北陸からも落胆や不安の声が漏れた。

実習生不足「漁できるか」

 中型イカ釣り船などにインドネシア人技能実習生を現在、四十人受け入れている石川県漁協小木支所(能登町)では今年、入国予定だった実習生の二十人余りが一人も入国できていない。十二月〜来年一月に五人ほどの来日が見込まれていた。
 今後一時帰国しなければいけない実習生もおり、各船に三、四人乗せる想定の実習生が、一、二人しか乗せられなくなりうる。支所の白坂武雄参事は「日本人乗組員が少ない中で、漁ができるのか」と不安を募らせ「一カ月ぐらいで終わるならいいが、春まで延びるとまずい。入国を止めるなら、一時帰国を延ばして」と求めた。
 インドネシア人実習生約二十人を受け入れる同県志賀町の県漁協西海支所は来年春までに新たに五人を受け入れ予定で、入国禁止が長く続かないか懸念する。
 中国やミャンマーからの技能実習生を受け入れ企業に紹介している「あかしあ事業協同組合」(金沢市)総務の張尉尉(ちょういい)さん(40)は「企業など皆困っているが、一番困っているのは実習生だ」と肩を落とす。

留学生待機「退学の道も」

 多数の留学生も入国待ちを余儀なくされている。北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市)では、中国やベトナムなど主にアジアからの私費留学生約百人の受け入れができないままでいる。担当者は個人的な見通しと断った上で、留学生には「オンライン授業を続けるか、休学するか、退学して別の道を選ぶかを確認することになると思う」。
 北陸大(金沢市)でも七十人弱が入国待ちの状態で、長引けば留学辞退も出てくると懸念している。富山大(富山市)の担当者は「文部科学省の指示を受けて対応する。近隣の大学とも情報収集をしたい」と語った。
 外国人留学生に日本語や介護技術を教える専門学校アリス学園では、金沢市と石川県加賀市の両校で計百人の留学生が一月から国に申請する予定。入国制限が長引けば、再び待機となるため、金沢校の佐藤進校長代理(52)は「どのくらいの期間になるか注視したい」と話した。

訪日中止「観光つぶれる」

 「コロナの感染状況から、来年春ごろには、入国制限が解かれると期待していたのに、また制限され、観光業界はつぶれてしまう」。そう話すのは、訪日外国人ら向けの日本文化体験事業などを展開する企業「こはく」(金沢市)の山田滋彦(しげひこ)社長(40)。
 訪日客の文化体験事業は来年春から秋にかけて十件ほど予約が入り、他にも商談が進んでいるが、「予約が入ってはキャンセルの繰り返し」と嘆く。コロナ禍がさらに長引けば、いずれ観光需要が回復したとしても、旅行の満足度を大きく左右する観光ガイドの確保が難しくなるとも危ぶむ。
 外国人旅行客の誘客などを担当する石川県国際観光課の担当者は「そろそろ国からインバウンド(訪日旅行)戦略についてのロードマップ(工程表)が示されると思っていたので、残念。国内のGo To事業の再開が決まり、トンネルの先に光が見えつつあったが、また消えてしまった感じだ」と話した。

駐在員や出張者「影響見通せず」 高松機械工業

 工作機械メーカーの高松機械工業(石川県白山市)は欧州をはじめとする海外拠点や子会社に駐在員が計二十人弱おり、海外出張中の社員もいる。担当者は「年末年始で例年なら駐在員が帰国したい時期。直近では大きな海外展示会もないが、入国制限の期間なども分からず、どのような影響が出るか見通せない」と話した。
 富山県黒部市に製造拠点のあるファスナー・建材のYKKグループの広報担当は「業務上で不可欠な場合を除いて国内外とも出張は制限している。今後も各国・地域の入国、渡航制限に関する通達や決定事項に即して対応していく」と述べた。

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