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照ノ富士の勢いを止める力士は朝乃山をおいていない そろそろ謹慎を解いてはどうか【北の富士コラム】

2021年11月29日 05時00分

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八角理事長(左)から賜杯を受け取る照ノ富士

八角理事長(左)から賜杯を受け取る照ノ富士

 すでに14日目に優勝が決まっているので申し訳ないが、私自身はあまり気分的には盛り上がりに欠けている。朝起きた時から動くのもおっくうである。やはり年齢は隠せない。疲れがドッと出たようだ。
 高安も序盤で長い相撲を3日続けたのが堪えたのか、後半に入るや動きが緩慢になったのが見て取れた。12日目のテレビ解説の稀勢の里君(荒磯親方)も疲れが出たのだろうと同情していた。「年をごまかしているのだろう」と冗談とは縁がないような鶴竜親方が言うくらい、玉鷲も元気はつらつとしていた勢いが、ピタリと止まってしまった。
 一体、何を言いたいのかというと、私は疲れ果てやっとの思いで、この原稿用紙に向かっていることを皆さんに分かってほしいだけなのであります。力士諸君も疲れているらしく、引かれると前に落ちる気力のない相撲が多かった。
 阿炎も14日目の負けで気を落としたのかこれまでの元気がなく、隆の勝に一方的に敗れた。阿炎の場合は体が疲れたのではなく、気力の問題が大きいと思う。来場所は今場所の相撲の真価が問われる。疲れたなんて言っている場合ではない。
 これより三役の正代と御嶽海の一番も、正代の気の抜けたような相撲で九州のファンをガッカリさせた。このままでは優勝どころか、2桁の星も挙げられない。29日は熊本に馬刺しと生レバーを食べに行くのだが、なるべく正代の話はしないようにしたい。
 その中にあってさすがに横綱は強かった。何とか照ノ富士の全勝を阻もうと、貴景勝が必死のぶちかましと押しの猛攻を見せて抵抗を見せるが、照ノ富士は大胆不敵にも稽古で胸を出すように受けて立ち、貴景勝に攻めるだけ攻めさせると、ころ合いは良しとばかりに反撃に出て一気に押し出した。
 見事な全勝優勝である。私も経験しているが、いくら優勝した場所でも冷や汗をかくような相撲は一番や二番はあるものだが、今場所の照ノ富士にはそんな相撲は一番もなし。堂々と受けて立ち、かち上げや張り手のように対戦相手を痛めつけるような相撲は一番たりともない。この辺が白鵬と違うところである。
 昇進の時、口上に品格のある横綱を目指すと述べているが、その通りの相撲を見せ続けているのは尊敬に値する。さぞ立派な横綱になることだろう。早くもこの全勝優勝で照ノ富士時代の到来を色濃くしてきた。この勢いを止める力士は残念ながらいない。もしいるとすれば、今は謹慎の身である朝乃山をおいて誰がいようか。
 テレビでも少し話したことだが、そろそろ謹慎を解いてはどうか。あと3場所休場すると、三段目まで落ちることになる。大関に返り咲くのは2年後になってしまうことになる。下手をすれば貴重な財産を協会は失うことになりかねない。協会の規則を破ったのはもちろん悪いことだが、たかが酒を飲みに行っただけのことではないか。
 もっと悪いことをしているやつだっているかもしれない。いや、実際いる。私は知っている。それは冗談ということにしておこう。とにかく朝乃山の土俵復帰を願うばかりだ。スター不足の協会は少しこの話を本気になってもらいたい。
 最後の最後に妙な終わり方になって申し訳ありません。今場所もお世話になりました。また来年の初場所でお会いします。さようなら。
(元横綱)
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