シーズン9勝の稲見萌寧が逃げ切り賞金女王 「最強なゴルファーになれるよう、極めていきたい」
2021年11月28日 19時51分
◇28日 女子ゴルフ JLPGAツアー選手権リコー杯最終日(宮崎市・宮崎CC)
モネ、涙の逃げ切り女王戴冠! 最終戦にもつれ込んだ今季賞金女王争いは、大会を9位で終えた稲見萌寧(22)=都築電気=に軍配が上がった。逆転女王を目指し単独2位から最終日をスタートした古江彩佳(21)=富士通=は終盤にスコアを落とし3位で終了。ポイント制によるシーズン最優秀選手賞を獲得した。優勝は通算11アンダーまで伸ばした三ケ島かな(25)=ランテック。ツアー史上6人目(招待外国人選手を除く)の「公式戦での初優勝」達成となった。4打差の7アンダー2位は小祝さくら(23)=ニトリ=だった。
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精密機械のように正確なショットを連発しシーズン9勝、記者会見でもあまり表情を緩めることなく戦い続けてきた稲見のほほが、喜びと安堵(あんど)でほんのりと赤らんだ。「何とか賞金女王を取れたことはうれしいけど、それよりもやり切った、やっと終わったという気持ちです」とほっとしていた。最終戦最終日は1番で5メートルのバーディーパットを沈める好発進だったが、3番では乗らず寄らず3パットのダブルボギーも献上する「しんどかった一日」だった。何とか73にまとめ、9位。古江のホールアウトを待って、賞金女王戴冠が決まった。
「(自分が)14位だと(古江が)単独2位でも賞金ランクがひっくり返ると知って、そこは意識してボードを見ながらプレーしてました。最後の3ホールはメチャクチャ頑張った」と自身を褒めた。10月のマスターズGCレディース最終日に棄権、翌週の三菱電機レディスを欠場、とシーズン最後に悩まされた腰痛について「あの時はぶっちゃけ賞金女王をあきらめた。でも勇気を持ってその2つの選択をしたことで、TOTOジャパンの2位と伊藤園レディスでの優勝があったと思います。ゴルフの調子は悪くないけど、最終日に近づくにつれて腰が不安で、スイングに悩む時間もなかったのが良かったとも思う」と明かした。
22歳122日目の戴冠は、2007年の上田桃子(21歳156日)に次ぐ史上2番目の年少記録だ。統合シーズンという注釈はつくが、15年のイ・ボミ(2億3049万7057円)を抜く史上最高額の2億5519万2049円を獲得しての女王。「オリンピックでメダルを取れて、複数回優勝も、メジャー優勝(日本女子プロ選手権)もできて、賞金女王も取れて…100点だと思います」と初めて自身に満点をつけた。
今季一番の成長点はパッティング。春先、アドレスでこぶし1つ分ほどボールと離れるように脇を開けたことが奏功、グリーン上での勝負強さに凄味が増した。「チャンスをものにし、ピンチをしのぐことができるようになった。大きかったです。トレーニングと練習をしてまたさらにパワーアップしたい」とさらに上を狙う。
すべてに完璧を目指し「最強なゴルファーになれるよう、極めていきたい」という。大目標の永久シード権獲得(ツアー30勝)まではまだ20勝の道のりがある。ホロリ流した感激の涙も乾いたころ「今年は今年で終わりにして、また1勝を目指して始めたいと思います」と、来季を見据えた。
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