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迷い犬、元気になりました 東区の田中さん保護

2021年11月27日 05時00分 (11月27日 05時02分更新)
天竜区水窪町で保護した竜頭くんをなでる田中裕治さん=浜松市東区薬新町で(田中さん提供)

天竜区水窪町で保護した竜頭くんをなでる田中裕治さん=浜松市東区薬新町で(田中さん提供)

  • 天竜区水窪町で保護した竜頭くんをなでる田中裕治さん=浜松市東区薬新町で(田中さん提供)
  • あばら骨が浮き出るほど痩せ細っていた=8月11日、浜松市天竜区水窪町で(田中さん提供)
 浜松市天竜区水窪町の標高千メートルの山中で八月中旬、一匹のイヌが保護された。あばらが浮き出るほどだったが、今では元気に回復。保護した同市東区の無職田中裕治さん(72)は「餌をくれていたツーリング客などに知らせたい」と話している。 (高橋雅人)
 田中さんは八月四日、水窪ダムを見に行こうと車で天竜スーパー林道を走っていて驚いた。視線に飛び込んできたのはフラフラと歩くイヌの姿。「何でこんなところに」。気になって十一日に再訪するとやっぱりいる。心配になり十二日には餌と水を持って行った。
 ほえもしなければ、尾を振ることもない。その代わりに与えた餌には食い付いた。「イノシシのわなにかかったらかわいそう」と捕獲用の箱を手に十四日に再び山へ。二日前に見かけた場所から北に五キロほど林道を進んだ山住神社近くで見つけ、保護したという。
 薬を飲ませると体からは三十匹ほどのダニが落ちたが、検査で感染症などの異常は見つからなかった。診察したアサギ動物病院(同市東区)の望月敬太獣医師は「かなりやせてはいたが、最低限の食事は取れていたみたいでグッタリはしてなかった」と振り返る。
 林道沿いで茶店を営む杉山和夫さん(83)がイヌの存在を知ったのは七月中旬ごろ。客から「餌ありますか」と聞かれた。その後も同様にヤマメを買っていった客は二十人以上。「飼い主を待っていたのか、最初の二週間は座って動かなかったとも聞いた」と明かす。
 保護から三カ月。一四キロだった体重は二一キロに増え、座ってしかできなかったおしっこも足を上げてできるようになった。一、二歳の雑種とみられ、ボールで戯れるようにもなった。最初に見かけた竜頭山(りゅうとうざん)にちなみ「竜頭」と名付けた田中さんはこう語る。
 「捨てられたのかもしれないが、生きていられたのは餌をくれたツーリング客や林業の人たちのおかげ。竜くんに代わってお礼を伝えたい」。自身の年齢を考えると飼い続けるのは難しいと考え、先々は新しい飼い主を探して譲渡会に出すことも検討している。

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