6球中5球…負ければ終戦 オリ吉田凌“覚悟のスライダー”「昔投げ方教わってもマネできず」中日・小笠原に出た欲
2021年11月26日 10時04分
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って 日本S特別編 ◇25日 日本シリーズ第5戦 ヤクルト5ー6オリックス(東京ドーム)
6球中5球がスライダー。「この球で生きていく」。そんな覚悟が伝わってくる投球だった。同点の6回、2死一、三塁で救援したのが吉田凌。好調の中村とのマッチアップだった。フルカウントからの129キロを投げきって、右飛に打ち取った。負ければ終戦。終盤にさらにもつれて勝利投手は消えたが、勝利に貢献する大きなワンアウトだった。
2日前、そのスライダーをサンタナに痛打された。悪夢の逆転2ラン。第4戦はベンチから外された。それでもスライダーを抜きにして、彼の投球は成り立たない。今季は18試合に登板し、1勝1敗4ホールド。防御率2・12を支えたのは、被打率1割4分3厘(42打数6安打)のスライダーだったのだから。
絶対の武器をもつ右腕の強みを、間近で見てきた男がいる。
「昔、投げ方を教わったことがあるんです。でも、マネできる変化球じゃなかったです」。こう話したのは、東海大相模高で切磋琢磨(せっさたくま)した小笠原だ。2年夏の甲子園に出場した時は「140キロカルテット」と話題を呼んだが、小笠原に言わせれば「吉田が1で僕は4。すごいと言われてたのは、圧倒的に向こうでした」と言う。
当時も今も、吉田凌の軸となっているのは、オンリーワンの軌道を描くスライダーだ。投球の6割を占め、勝負球だけではなくカウントも取る。当然、打者も狙ってくるが、それでも投げきらねば1軍では生きていけない。
「向こうは中(リリーフ)で、僕はアタマ(先発)。行く道が違うんで、意識するってことはないですね。ただ、こうやってテレビを見ていると、日本シリーズで投げているのはうらやましい。来年は僕も…。って思いますよ」
連日の総力戦から、小笠原に欲が出た。来年の秋はオレが大舞台で先発する―。
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