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【北の富士コラム】わずか3場所の謹慎で阿炎は別人になった…人間なにが幸いするか分からないものだ

2021年11月26日 05時00分

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阿炎(左)は突き出しで玉鷲を破る

阿炎(左)は突き出しで玉鷲を破る

◇25日 大相撲九州場所12日目(福岡国際センター)
 2敗の北勝富士が宇良の動きについていけず3敗となり、優勝争いから脱落。宇良の動きを警戒しすぎ、かえって宇良の術中にはまってしまった。宇良は9勝。あと2、3勝、10番以上の星を挙げたら敢闘賞ぐらいはいただけるかもしれない。
 玉鷲と阿炎の一番は期待通りの熱戦となった。立ち合いから玉鷲が先手を取って押し込んだ。しかし、阿炎は体勢を低く、頭を下げて逆襲に転じる。以前の阿炎ならここで逃げ回っているところだが、謹慎生活の明けた阿炎は別人になっていた。
 長身の阿炎が下から押し上げるように攻め込むと、さすがの玉鷲も阿炎の気迫と馬力に圧倒されて土俵下まで押し飛ばされた。今場所の始まった頃はそのうち引いたり、はたいたりする相撲になるのだろうと甘く見ていた私だが、誠におみそれしました。わずか3場所の謹慎でこれだけ変われるとは、人間なにが幸いするか分からないものだ。
 御嶽海は11日目の相撲で立ち直ったかに見えたが、またしても見事に期待を裏切られてしまった。第一、負け方が気にくわない。徹底的に遠藤に前さばきの応酬で左差しを封じられると、自分の方からあっさりと足を出してしまった。あまりにも諦めが早過ぎやしませんか。
 だから私は御嶽海を信用しきれない。本人は2桁が目標と言っている。だから目標まであと1勝。実に気楽なものである。その点、貴景勝は立派である。高安の左張り手に猛然と張り手で応戦。そのまま一気に送り出した。この闘志が御嶽海にはないものだ。ピタリと照ノ富士を追走し、立派に大関の重責に応えている。
 照ノ富士は明生に上手を引かれて少し攻め込まれたが、どっしり落ち着いて左下手を取って下手投げを試みる。明生はこの下手投げは予測していたと見え、外掛けに出る。しかし、掛かったところが高過ぎて体が浮いてしまった。照ノ富士は左足を跳ね上げ、内股にも似た掛け投げで軽々と投げ飛ばした。
 先場所は不覚を取った相手に要注意といわれていたが、余計な心配であった。これで優勝争いは3人に絞られた。阿炎がもし13日目も勝つようだと、千秋楽は照ノ富士に持ってこられることもある。こうなったら、ぜひ夢の対戦を見たいものである。
 さて本日も無事に相撲も終わったし、原稿も書き終わりました。それではおいしい魚をいただきましょう。実は今、初日の前日に来た日本料理屋さんに来ているのです。偶然、友人が遊びに来て、連れて来られたのがこの店です。
 さっそく、呼子のイカ刺しからいただきます。次から次へとおいしいものが出てきます。
 それではおやすみなさい。(元横綱)
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