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職人技 デジタルでシェア 白山・旭ウエルテック 後進育成に

2021年11月26日 05時00分 (11月26日 10時13分更新)
製造現場に導入したモニターを紹介する山田英示会長(左)と山田裕樹社長=白山市中新保町で

製造現場に導入したモニターを紹介する山田英示会長(左)と山田裕樹社長=白山市中新保町で

“机の中のノウハウ”公開 「効率もUP」

 白山市中新保町にある従業員三十三人の機械部品製造業「旭ウエルテック」が、高度な職人技を後進育成のため、デジタル化によって共有するシステムを導入している。属人的になりやすい技術を共有することで、作業の効率化や技術の伝承をすすめる。 (青山尚樹)
 同社は現会長で溶接工の山田英示さん(73)が一九八七年に設立。「一品物を一個から」をスローガンに顧客の要望に応え、金属材料の切断や高度な溶接技術で機械メーカーの部品生産を続けてきた。
 ただ、一品物を作る際には職人の腕や感覚が頼りになり、ノウハウが社内に蓄積されないという課題があった。山田会長は「昔は見て、自分だったらどうするか五〜十年かけて覚えるものだった」と話す。そうした環境を変えようと、会長の息子である山田裕樹社長(37)が六年前から自社のシステム開発を始めた。
 当時は「ノウハウはそれぞれの机の中に」という状態だったと裕樹社長。図面などは紙に示して作業を進めることを好む職人も多くいた中で、職人らの声を聞きながら職場のデジタル化を進めた。職人がいつでも見やすいように作業場にモニターを配置。納期や不具合情報、過去の図面の可視化をすすめた。
 その結果、年に一万五千枚ほども紙を使っていた工程管理表は今ではゼロに。若手社員は「図面を画面一つで見やすくなった。分かりやすくて効率も上がっている」と話す。
 裕樹社長は、今ある技術力をデジタルで伝承していくことを目標に「同じ課題を抱えている会社は業界内に多数ある。できることなら、もっと力になり、業界全体を盛り上げたい」と意気込んでいる。

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