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木下晴香、安保闘争と震災時の女性 志高い2役に挑戦 来月、東京や愛知でストレートプレイ「彼女を笑う人がいても」

2021年11月26日 05時00分

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「彼女を笑う人がいても」に出演する木下晴香

「彼女を笑う人がいても」に出演する木下晴香

 4年前のデビュー以来、類いまれな歌唱力と容姿を生かしてミュージカル女優として評価が高い女優木下晴香(22)。12月に東京などで初めてストレートプレイ(せりふ劇)の「彼女を笑う人がいても」(作・瀬戸山美咲さん、演出・栗山民也さん)に出演する。守るべき正義を問う社会派の作品で、1960年の安保闘争時と、現代で東日本大震災の影響のもと生きる女性の二役を演じる。「足りない演技力を身に付ける」と明かす志の高い挑戦だ。
 ミュージカル初観劇は2歳で母親のひざの上で見入った「劇団四季」の「ライオンキング」。歌好きの少女はミュージカル女優の夢を17歳でかなえ、「ロミオ&ジュリエット」のジュリエット役でデビューを果たした。
 キャリアは順風満帆だが「演技に自信が無かった。心が折れそうでうまくなりたかった」と強みの歌唱力を封印するストレートプレイ出演を熱望していたと明かす。
 本作出演の大きな理由は演出が栗山さんだったこと。「どの先輩からも栗山演出はすばらしいと聞いていた。いつかはと思っていた」という。3月に栗山さん演出の「日本人のへそ」(作・井上ひさしさん)を観劇。「出演者の輝きと熱量に圧倒された」と目を輝かせる。
 本作は瀬戸山さんの新作。主演の瀬戸康史(33)も二役を演じる。瀬戸は2021年、続けてきた東日本大震災の被災者取材を会社の方針で断念させられ悩む新聞記者の伊知哉と、60年安保闘争時に新聞記者だった伊知哉の祖父吾郎を演じる。闘争で女子学生が命を落とした真相に迫ろうとする吾郎もまた報道のあり方に苦悩する。
 木下が演じるのは現代では震災で故郷を離れた父を持つ梨沙と、60年では亡くなった女子学生の同級生・誠子。それぞれ伊知哉と吾郎に向き合い大きな影響を与える。
 木下は「梨沙も誠子も違う色だが熱い炎を燃やし、生きている言葉を発する」という。「私にも炎はあるが2人と違い言葉に出さないタイプ」
 栗山さんの演出には「こんなに台本に書き込みをしたことは無かった。(指示に)うなずきすぎて首がどうかなりそう」と刺激を受けているよう。「その言い方では過去のようだ」との指摘が忘れられない。木下は「渦中の人が発した言葉になっていなかったと気づいた」。ストレートプレイの苦しさとともに自分の成長を感じて幸せという。
 東京公演は世田谷パブリックシアターで12月4~18日、愛知公演は刈谷市総合文化センター 大ホールで25、26日。
 ◆木下晴香(きのした・はるか) 1999年2月5日生まれ、佐賀県出身。2017年「ロミオ&ジュリエット」のジュリエット役でデビュー。ミュージカルを中心に活躍し主な出演作品に「モーツァルト!」(18、21年)、再演「ロミオ&ジュリエット」「銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠」「ファントム」(いずれも19年)「アナスタシア」(20年、W主演)、「プロデューサーズ」(同年)「王家の紋章」(21年)など。19年にディズニー実写映画「アラジン」の吹き替え版でジャスミンを演じ「NHK紅白歌合戦」の企画で歌唱。今年10月「若きミュージカル界のホープ」として第11回岩谷時子賞奨励賞受賞。趣味はランニング、温泉巡り。

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