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人間国宝・加藤孝造さん、若き日の試作品 多治見で初の企画展

2021年11月25日 05時00分 (11月25日 16時24分更新)
躍動感あふれるトラのオブジェ=多治見市星ケ台の県セラミックス研究所で

躍動感あふれるトラのオブジェ=多治見市星ケ台の県セラミックス研究所で

  • 躍動感あふれるトラのオブジェ=多治見市星ケ台の県セラミックス研究所で
  • 宮内庁の依頼で制作した花瓶。中央の写真はろくろに向かう加藤さん=多治見市星ケ台の県セラミックス研究所で
 人間国宝の陶芸家加藤孝造さん(86)=多治見市=が、県陶磁器試験場(現・セラミックス研究所)に勤務していたころに制作した試作品を集めた企画展が多治見市星ケ台の研究所で開かれている。美濃陶芸の大家の若き日の姿を垣間見ることができる。12月28日まで。
 研究所によると、加藤さんは十代から制作活動のために退職するまで、十五年余り試験場に勤めた。研究所では現在も、地元メーカーなどに参考にしてもらうために制作した加藤さんの試作品七十点ほどを保管。今回、加藤さんに焦点を当てた作品展を初めて企画した。
 加藤さんが手掛けた試作品五十七点を、今年四、五月に加藤さんから聞き取った制作時の逸話とともに展示した。躍動感あふれるトラのオブジェは、安定して立たせるのが難しく倒れそうになってみなで支えたという苦労話を紹介。内側の渦巻き模様が印象的な大鉢は当時試験場長だった五代加藤幸兵衛(一八九三〜一九八二年)や試験場をたびたび訪れた人間国宝の荒川豊蔵(一八九四〜一九八五年)の前で制作したという。
 研究所によると、現在の加藤さんの作品には見られない技法もある。宮内庁からの依頼で制作した花瓶は、基本となる釉薬(ゆうやく)に顔料を混ぜて薄青色を出している。聞き取りで、初めて加藤さんの制作したものと分かった作品もあった。
 デザイン担当の小稲彩人(こいねあやと)さん(52)によると、研究所で作品を見た加藤さんは懐かしそうに当時を振り返り、聞き取りは二日間で計四時間ほどに及んだ。「思い出話がどんどん出てきて驚いた。いろいろな技術を試し、精力的に制作していたのが伝わってきて、見ていて楽しめるのでは」と話す。土、日曜、祝日休み。(問)セラミックス研究所=0572(22)5381 (片岡典子)

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