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静大硬式野球部 静岡・浜松「80キロの壁」

2021年11月25日 05時00分 (11月25日 09時49分更新)
静岡キャンパスのグラウンドで練習をする部員たち=静岡市駿河区で

静岡キャンパスのグラウンドで練習をする部員たち=静岡市駿河区で

  • 静岡キャンパスのグラウンドで練習をする部員たち=静岡市駿河区で
  • ダッシュする3年生部員たち=静岡市駿河区で
 プロ注目の右腕二枚を擁し、先月の東海地区大学野球連盟秋季県リーグで十五季ぶりの優勝を決めた静岡大硬式野球部は、部員たちが東西八十キロ離れた静岡、浜松両キャンパスで学ぶ。直接会う時間が限られる中、彼らはどうやってお互いの信頼をつくりあげているのか。グラウンドを訪ねた。 (佐々木勇輝)
 「頑張っていきましょう」。部員そろっての合同練習ができる週末の朝、静岡キャンパスのグラウンドでは二十人ほどの三年生部員が声を響かせていた。浜松キャンパスの竹田龍平副主将(22)は「平日は個人練習しかできない」と話す。工学部でものづくりを学びながら全日本大学野球選手権に出場する夢を追い、週末に浜松から通う。「離れた仲間との信頼が不安になることもある。だからこそ結果で示す」とバットを振る。

◆静岡“出張練習”

 同部には静岡六十八人、浜松七人が所属。静岡である週末の合同練習に通う浜松の部員は移動時間を考慮し、前日から静岡の部員の家に泊まることもある。部員は自身の課題を文章や映像にまとめ、選手全員と監督が参加するLINEグループで日々共有しあう。永井結登主将(21)は「心が同じ方向を向けば、個の力も連携も向上する」と語る。
 練習する部員を支えるのは、東京から自費で指導に通う高山慎弘(まさひろ)監督(40)。部OBで会社経営の傍ら、休日を割いて指導に当たる高山監督は「通信機器が発達した現在、距離や環境を問題にするのは言い訳だ」ときっぱり。
 恩師である前監督の誘いで、八年前から手弁当で母校に通う。指導で大切にするのは「いない相手に何ができるかを考えること」。部員に会う時間が限られる自身へのプレッシャーでもある。「心の距離」を縮めることを重視した指導で、二〇一四年春には全日本選手権出場に導いた。

◆統合再編…不安

 静大では現在、浜松医科大との統合再編の議論が進む。二大学が静岡地区と浜松地区の大学に再編された場合、部活動は両地区に分かれる可能性がある。当初は二一年度中に統合が予定されていたため、部員からも不安の声が出ていた。
 「大学は学生たちのための場所」と強調する高山監督は「再編で部活動が二つに分かれてしまうと、工学や医学など(浜松地区の)理系の知見で両地区のスポーツを支える可能性がなくなってしまう。夢を持つ学生を連携して応援する大学であってほしい」と話す。

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