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少年院の世界 ほのぼの紹介 金沢・湖南学院が広報誌

2021年11月25日 05時00分 (11月25日 12時24分更新)
広報誌を紹介する工藤弘人院長。表紙には、積もった雪でクロスカントリーをする少年の写真や、桜に彩られた院の外観といった写真があしらわれている=金沢市上中町の湖南学院で

広報誌を紹介する工藤弘人院長。表紙には、積もった雪でクロスカントリーをする少年の写真や、桜に彩られた院の外観といった写真があしらわれている=金沢市上中町の湖南学院で

近隣住民との交流、奉仕 院歌…
社会復帰見据え「取り組み知って」

 北陸三県で唯一の少年院「湖南学院」(金沢市)が、院の取り組みを広く知ってもらおうと、昨年八月から広報誌を発行している。更生に向け歩む少年の姿など、普段はなかなか目にすることのない院内の世界をほのぼのと紹介。新型コロナウイルスの影響で施設見学といった地域と関わる機会が失われる中、少年らの社会復帰を見据えて結び付きを強めようとしている。(高橋雪花)
 「実際に動物たちと触れ合うと本当に楽しくて今までに感じなかった『命』というのを感じることができました」。十二月に発行を予定する第六号には、十月に遠足でいしかわ動物園(能美市)に行った少年の感想がつづられている。身をかがめてオランウータンに見入る写真も。A4判で四ページにわたり、近くの遊歩道で清掃活動したことや、近隣住民を招いて職員の防災訓練をしたことなども紹介している。
 広報誌の名前は「湖南学院だより HAND IN HAND〜地域とともに〜」。英語部分は、日本語で「手を取り合って」を意味する。昨年着任した工藤弘人院長(55)の提案で、季節ごとに年四回、編集担当の職員らが作製。近隣の小中学校や保護者、金沢保護観察所などに配っている。
 出院後に強く生き抜けるよう願いを込めた「院歌」の紹介など、扱う話題は幅広い。季節に応じたカラフルなデザインも魅力だ。教育部門の調査主任として社会復帰を支援する千秋(せんしゅう)季代美さん(42)は、編集に携わる一人。写真や柔らかい言葉を多く使うことで「身近に感じてもらえるようにしている」という。
 工藤さんは「フェンスに囲まれた少年院を見て不安に思う人もいるだろう。子どもたちは全員社会に戻っていく。その時に受け入れてもらえるよう、まずはどんなことをしているかを知ってもらいたい」と話す。
 広報誌の問い合わせは湖南学院=電076(229)1077=へ。平日のみ。

 湖南学院 1949(昭和24)年1月、金沢市東蚊爪町で発足。その後、同市上中町に移転した。北陸や東海の6県から、義務教育を終えたおおむね15〜19歳の男子を受け入れており、24日時点で13人が生活している。全国の少年院と同様、窃盗や傷害・暴行などの非行で入院するケースが多い。およそ11カ月にわたり生活面や学習面などの指導を受ける。発足時は河北潟の南部にあったことが名前の由来になっている。


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