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首位打者か本塁打王か…1点差の9回2死三塁 ヤクルト高津監督の決断に“得点圏打率4割男”も「迷わず敬遠です」

2021年11月24日 09時37分

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最終回を無失点に抑え、高津監督(右)に迎えられるヤクルト・マクガフ

最終回を無失点に抑え、高津監督(右)に迎えられるヤクルト・マクガフ

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って 日本S特別編 ◇23日 日本シリーズ第3戦 ヤクルト5―4オリックス(東京ドーム)
 1点差の9回、2死三塁。マウンドに向かおうとした伊藤投手コーチを、高津監督は呼び止めた。ベンチの意思を統一した上で、バッテリーと内野手が待つマウンドへ。話した内容が試合後に明かされることはなかったが、その後のプレーを見ればわかる。
 吉田正を申告敬遠し、4番の杉本との勝負を選んだ。極めて重大な決断である。首位打者か、本塁打王か。それもあるが、吉田正は勝ち越しの走者になるのだ。しかも杉本は6回に同点2ランを打っており、マウンドのマクガフは、第1戦で逆転サヨナラ負けしている。この日は逆転されても裏の攻撃はあるが…。
 ただし、僕に決定権を委ねられたとしても、震えながら「杉本勝負」と伝えたはずだ。僕に勝負師の嗅覚などないから、すがるのは数字だけ。とにかく嫌なのは、吉田正の4割(90打数36安打)という尋常ではない得点圏打率である。当然ながら、両リーグトップ。その勝負強さは、第1戦のサヨナラ打に続き、この日も7回に勝ち越し打を放ち証明している。
 得点圏打率4割男の危険度は、4割男が知っている。2005年に驚異の4割8厘(125打数51安打)を記録したのが井端弘和さんだ。
 「狙い球を絞って、一振りで仕留めていた感じでしたね。チャンスで回って来い、回って来いって思ってたし、打てる気しかしなかった。吉田もそうなんじゃないですかね」。ということは? さすがは井端さん。自信満々で答えてくれた。
 「あの場面で一番嫌なのは、ヒットを打たれること。だから迷わず敬遠です。2年連続首位打者と3割(杉本)ならやはり首位打者が怖い。杉本に3ラン打たれたら、あきらめつきますから」
 ちなみに杉本の得点圏打率は2割9分2厘。本人の名誉のために書くが、決して勝負弱いわけではない。一方、中日の規定打席到達者の中に、自らの打率より得点圏の方が高い選手はいない。悔しいが、これも現実である。

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