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日本Sの美しき投手戦、“プレート”にも見所あった…左右の打者で踏み分ける超少数派の2人 それぞれの目的とは

2021年11月22日 10時03分

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テレビ中継のゲスト解説をする福留

テレビ中継のゲスト解説をする福留

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って 日本S特別編 ◇21日 日本シリーズ第2戦 オリックス0ー2ヤクルト(京セラドーム大阪)
 若き左腕の投手戦に見とれてしまうほど美しかった。20歳のオリックス・宮城と24歳のヤクルト・高橋。どちらが打ちづらい? この質問をぶつけるのに最高の人間が、京セラドームにいた。
 「どっちも嫌ですよ。でも、嫌な理由が違うかな…」。地上波中継のゲスト解説を終えた福留である。どこが嫌なのか。それぞれの理由を説明してくれた。
 「宮城くんは打者に狙い球を絞らせない。芯を外すピッチング。高橋くんは真っすぐの力で押し、変化球で抜く。差し込まれるピッチングです」
 僕がなぜこんな質問をするのかも、福留は気付いていた。「それにしても2人とも器用ですよね。右、左でプレートの位置を踏み分けるなんて」。投手にとってプレートのどこを踏んで投げるかは、極めて重要だ。だから変える時は一大決心が必要だし、踏み分けるなんて超のつく少数派。そんな2人が大舞台で投手戦を演じたのだ。
 宮城は左打者には真ん中を踏み、右には一塁寄りを踏んだ。高橋は左の時は三塁寄りで、右には真ん中を踏んでいた。ちなみにシーズン中の被打率は宮城(左が2割3分4厘、右が2割1分2厘)、高橋(どちらも2割9厘)ともに大差はない。踏み分けの動機を推理しようと思ったら、被打率に目を向けていてはわからない。データ分析に「K/BB」という指標がある。奪三振を与四球で割る。制球力の目安になり、3・5以上が優秀とされている。
 宮城は左には1・96と低く、右には5・38と極めて優秀だ。高橋はその逆で、左には4・67と高く、右は2・38とやや苦しい。つまり、踏み分けの目的は、宮城は左打者対策、高橋は右対策と見て間違いない。逆に言えば、踏み分けの効果で被打率に大きな差がつかずに済んでいるのだ。
 「宮城くんなら球種まで絞って、変化球を狙います。高橋くんは真っすぐに差されないよう、頑張る!いや、面白い投手戦でした」
 福留は言った。投手も打者も探求心と向上心ということだ。

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