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日本Sで“精密機械”奥川が見せた制球力…かたや中日の若手投手陣は「悲惨」落合コーチが高めるフォームの再現性

2021年11月21日 09時04分

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先発し、7イニング1失点のヤクルト・奥川

先発し、7イニング1失点のヤクルト・奥川

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って 日本S特別編 ◇20日 日本シリーズ第1戦 オリックス4x―3ヤクルト(9回サヨナラ、京セラドーム大阪)
 ヤクルト・奥川とオリックス・山本の極上の投手戦だった。互いに1失点でノーデシジョン。与えた四球の数まで2つずつだった。
 山本の6回の失点は山田、サンタナを歩かせたことがきっかけだったが、さすがはパ・リーグのタイトルを総ナメにした右腕である。今季の与四球率はリーグ3位の1・86。しかし、制球力にかけては奥川の方が上だった。何と0・86。彼は規定投球回数に達していない(105イニング)が、100イニング超の投手の中では断トツにして驚異の数値。両リーグで規定投球回数に達した投手は23人いるが、最高で1・26、最低で5・63。奥川がいかに優れた精密機械であるかがわかるだろう。
 さて、秋季キャンプ中の若竜の話を書く。クールに1回、彼らはブルペンで競っている。休憩を3分、肩作りを1分。それから「外角」などとテーマに従い10球を投げる。3セットで計30球。ストレートだ。振ってくる打者もいない。ところが、総じて結果は悲惨だと聞いた。5割以下の投手が何人もいる。
 奥川は高卒2年目。確かに彼の制球力は天が与えた才能かもしれない。しかし、練習で5割いかないのに試合で投げきれるはずがない。ある古参のスタッフは言った。「吉見(一起)やあの人の現役時代なら、9割は決めていましたよ」。その「あの人」が帰ってくる。落合ヘッド兼投手コーチは、2003年に61試合、56イニング投げて与四球はたったの5。率にして0・80だった。
 「才能ではなく繰り返しです。同じ投げ方をすれば、永遠にストライクは取れますから」
 いや、機械になれないから、若竜は苦しんでいる。フォームの再現性をいかに高めるのか。落合コーチはこうも言った。「投げて覚えるんです」。もちろん肩、肘が飛んでも投げろと言っているのではない。職人のごとく、毎日の積み重ね。奥川になれとは言わないが、少しでも近づかねば、プロでは生きていけないのだから。

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