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チーム引っ張るバッテリー 敦賀気比6年ぶり「神宮」挑戦  

2021年11月17日 05時00分 (11月17日 10時00分更新)
北信越大会決勝で完封した上加世田投手(左)とリードした渡辺捕手。新チーム結成当初から2人でチームをけん引してきた=長野県の松本市野球場で

北信越大会決勝で完封した上加世田投手(左)とリードした渡辺捕手。新チーム結成当初から2人でチームをけん引してきた=長野県の松本市野球場で

 上加世田投手と渡辺捕手

 日本一のバッテリーを夢見て、中学一年生から切磋琢磨(せっさたくま)してきた二人が躍進の裏にいた。十月の北信越高校野球大会で優勝し、来春の甲子園出場を確実にした敦賀気比。経験が乏しく意識も低かった仲間を鼓舞し、戦力を引き上げた。六年ぶりに挑む明治神宮大会(二十日から、神宮球場)で、全国の強豪と戦うことを楽しみにしている。 (谷出知謙)
 ともに大阪府出身で二年生の上加世田頼希(うえかせだらいき)投手と渡辺優斗捕手。中学の時に所属した軟式クラブで知り合い、バッテリーを組んだ。三年時にそろって日本代表となり、アジア大会で優勝。上加世田投手はエース格の活躍、渡辺捕手は好リードに強肩が光り、大会MVPを獲得した。「頼希」と「なべ」。互いに信頼を寄せる二人の絆がさらに強まったのは、進路を決めた時だ。
 渡辺捕手は関東の名門校に誘われた中、OBがいる敦賀気比を選んだ。「高校は一緒に行きたくて。最後までやり切りたい」との思いを上加世田投手が受け止めた。再び同じユニホームに袖を通し、高校入学後は一年秋の県大会からメンバー入り。同期で二人だけが、二年春と夏の甲子園に立った。
 三年生が抜けた九月、主将になった上加世田投手は「僕たちが経験を伝えていかないと」と口にした。寮の部屋で、二人だけになった食堂で渡辺捕手と一緒にどうすればチームが強くなるかを考え、周囲に伝えた。県大会準決勝で啓新に敗れ、二年前の夏から続いた29連勝の記録が途絶えた後には「負けて死ぬことはない」と切り替えた。「悔いのない試合をして自分らしく戦う。試合でガチガチになっていたから」。北信越大会は皆が伸び伸びと戦えた。
 新チーム結成当初、東哲平監督は「(二年生たちには)なぜ先輩がこれだけ練習をやっているのか、と観察する力がない」と指摘した。「最弱」と発破もかけた選手たちが「勝つにつれ、意識も全部変わった」。
 秋風が吹いた今月上旬、上加世田投手は言った。「一人一人に自覚が出て、本当にみんなが頼もしくなった。神宮大会は自分たちらしく死に物狂いで戦いたい」。二十一日の初戦の二回戦は、近畿代表の大阪桐蔭と激突する。相手に不足はない。

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