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恋愛遍歴、赤裸々につづる 寂聴さん死去、出家の理由明かさず

2021年11月12日 05時00分 (11月12日 05時01分更新)
 寂聴さんは、恋バナ(恋愛話)をするのが好きだった。
 私は、寂聴さんが七十歳代のころに本紙で連載した「寂庵(じゃくあん)こよみ」と、九十歳目前で連載した「この道」、その翌年から「足あと」を担当した。寂聴さんが東京に来るとよく、宿泊先のホテルで食事やお茶をご一緒した。
 食事の席では、同席した親しい編集者や私の恋愛経験を興味津々で尋ねた。当然、こちらは寂聴さんの話を聞き返す。「人生の晩年に振り返ったとき、印象に残る恋の相手はせいぜい一人か、二人ではないですか?」と質問したことがある。すると寂聴さんは「二人か、三人ね」と返した。
 寂聴さんの恋愛遍歴でよく話題になったのは「夏の終(おわ)り」のモデルとなった二人と、作家の井上光晴さんだ。井上さんと寂聴さんの関係については、井上さんの娘の荒野さんが小説「あちらにいる鬼」にも描いている。
 後日、自作を振り返るエッセー「足あと」で、小説「吊橋(つりばし)のある駅」について書いた時、電話で寂聴さんはその作品を「私の一番好きな小説なの」と言い、その物語のように突然、恋人と車で京都の保津峡駅に行った思い出を楽しそうに語った。その時私は「ああ、先生にとって一...

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