頼れる少年院 知って 湖南学院 住民に防災訓練初公開
2021年11月12日 05時00分 (11月12日 10時17分更新)
災害時は避難場所に
金沢市上中町の少年院「湖南学院」が11日、職員による防災訓練を地域住民に初公開した。同学院は10月、災害時に施設の一部を住民向けの避難場所にすることで、市と協定を締結。豊富な設備や職員の技術を生かすとともに、少年院への理解を深める足掛かりにしてもらいたい考えだ。 (高橋雪花)
同学院では災害時、地域住民向けに体育館または面会用の施設を開放する。少年たちは寮内で過ごすが、万が一の場合には仕切りなどで接触を避け、住民たちと同じ避難場所を使うことも想定されている。
この日は東浅川地区の住民十三人を招き、職員二十人が災害用設備の設置を実演した。体育館では、授乳や発熱時などに使えるテントや、川やプールの水を飲み水にできる浄水器、仮設トイレなどをきびきびとした動きで用意。間仕切りを見て回る住民に「プライバシーが確保できて、三、四人ほど入れます」と説明していた。その他、自動体外式除細動器(AED)の活用も披露。外のプールでは放水訓練もあった。
参加した住民からは「近くにあるけど入るのは初めて。立派な施設や設備で心強い」との声が上がった。東浅川地区町会連合会の宮村正雄副会長(75)は「職員の方は迅速で確実な訓練を積まれているのを感じた。今後も連携していきたい」と喜んだ。工藤弘人院長(55)は「ここで更生に向け頑張っている少年たちは皆、社会に戻っていくことになり、地域の理解が再犯防止につながる。今後も地域と協力しながら歩んでいきたい」と話した。
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