男性乳がん、救いの一歩は知ること 偏見解消へ思い込め啓発バッジ
2021年11月10日 16時00分 (11月10日 16時00分更新)
乳がんの早期発見を呼びかけるピンクリボンに、黒の帽子と靴を組み合わせた「男性乳がん」の啓発ピンバッジが好評だ。男性にも乳頭や乳腺はあり、乳がんになることがある。ただ患者数は少なく、孤立しがちだ。あまり知られていないがゆえに偏見もあるという。当事者の患者たちとともにデザインを手がけた女性イラストレーターが、小さなピンバッジに込めた願いとは−。 (石川修巳)
岐阜県池田町のフリーライター、野口晃一郎さん(46)は、乳がんと診断され、二〇一七年に左胸を切除した。「不安だし、孤独。乳腺外科はほとんどが女性で、『アウェー感』が半端なかった」と振り返る。
乳頭が陥没し、チクチクする痛みもあった。取材の仕事で偶然、男性も乳がんになることを知って受診につながったという。「早期発見でした。私のように、男性乳がんの存在を知ることが、『自分ももしかして…』と気づくチャンスになる」と野口さん。
がん患者らを支援するNPO法人「キャンサーネットジャパン」(東京都文京区)は、三年前から男性乳がん患者の交流会「メンズBC(ブレスト・キャンサー)」を開催。サポーターとして参加するNTT東日本関東病院の沢田晃暢(てる...
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