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廃材 福祉事業所で再生 切り端でミニ畳、着物帯→ポーチ

2021年11月8日 05時00分 (11月8日 09時52分更新)
「えがお工房8」の各就労支援事業所で作られているミニ畳と着物帯のポーチ=金沢市で

「えがお工房8」の各就労支援事業所で作られているミニ畳と着物帯のポーチ=金沢市で

  • 「えがお工房8」の各就労支援事業所で作られているミニ畳と着物帯のポーチ=金沢市で
  • 廃材の紙と木材で作られたカレンダー=金沢市で

金沢「全員の利益に」信金仲介

 金沢市内の障害者就労支援事業所で廃材を利用したものづくりが広がっている。仕掛け人は、はくさん信用金庫(本店・金沢市)の職員福井浩一さん(56)。取引先で大量の廃材が出ているのを見て「複数の事業所で協力すれば、欲しいものに変えられる」と考えた。SDGsの目標の一つ「つくる責任 つかう責任」を意識しつつ、事業に関わる全員が利益を得られる方法を模索している。(寺田結、写真も)
 今月一日、大型クルーズ船が寄港した金沢港クルーズターミナル内で、手のひらサイズの「ミニ畳」が販売された。実は住宅に使われる「本物」の端っこ。これまでは処分されていたが、加工して商品にした。
 製作に関わるのは「なかがわ畳工業所」(金沢市南新保町)と障害者の就労継続支援B型事業所「えがお工房8(はち) たんと」(同市横川)。福井さんが取引先同士をつなげた。畳の廃材を無料で事業所に渡すことで、工業所は廃棄の費用を節約し、事業所は収益につなげていく。
 「ごみにしていたものを生まれ変わらせてくれたことが何よりうれしい」。畳工業所の中川泰登代表は喜ぶ。ミニ畳は、九谷焼工房が招き猫の台座として購入したほか、インターネットショップからも引き合いがある。
 「えがお工房8」系列の別の事業所は、呉服店から引き取った着物の帯で作ったポーチも販売している。運営法人の木下朗代表理事は「リメークすれば、畳も帯も息を吹き返してくれる。事業所の予算は少なく、材料を無料でもらえるのもありがたい」と話す。
 障害福祉事業所を運営する「地域支援センターポレポレ」(金沢市三小牛町)が作った二〇二二年のカレンダーも同じような例。製紙業者が余らせていた紙に、事業所の利用者が描いたイラストを印刷した。工務店で出た木材の破片をスタンドにして、十月末、市庁舎前広場で開かれたイベントで販売した。
 ごみを減らしつつ、障害者の就労支援の幅も広げられる。福井さんは信金で、取引先同士の連携をアシストする部署に所属しており、仕事の一環だ。「原価が安くても安売りはさせない。機能やデザインに妥協せず、きちんと価値を付けた商品にして販売につなげたい」と話している。

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