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「心の表現 工芸の生きる道」 石川県立美術館・青柳館長と人間国宝・室瀬さん対談

2021年11月8日 05時00分 (11月8日 09時46分更新)
金沢の工芸文化について語る室瀬和美さん(右)と青柳正規館長=7日、金沢市の石川県立美術館で

金沢の工芸文化について語る室瀬和美さん(右)と青柳正規館長=7日、金沢市の石川県立美術館で

 蒔絵(まきえ)の重要無形文化財保持者(人間国宝)で漆芸家の室瀬和美さん(70)=東京都出身=が七日、金沢市の石川県立美術館で青柳正規館長と対談した。金沢の工芸文化について「まちそのものが工芸を育て、作家が感謝するというキャッチボールがある。ここを拠点としてどう世界に視野を広げ、発信していくか。それを若い人に伝えたい」と語った。
 室瀬さんは二〇〇八年に人間国宝に認定された。三嶋大社(静岡県)所蔵の国宝「梅蒔絵手箱」の復元模造制作を手掛けた中心人物としても知られる。父親は石川県輪島市出身。
 日本の伝統工芸の価値は世界の中で高まっていくとした上で「今は人が手をかけなくても機械でそこそこのものができる。そうすると、逆に人の手にしかできないゆがみや心の表現が人の心を和ませる。それがこれからの日本の工芸の生きる道だ」と語った。
 環境問題に関わるプラスチック製品も話題に。漆製品とは十倍以上の価格差があり、「それぞれが適正の価格だが、環境を守るためには漆の方が安いかもしれない。教育でもなぜ漆が必要かを教えてもいいと思う」と強調。「漆ほど循環性のある素材はない」とも話した。
 対談は県などでつくる実行委員会が主催する「国際北陸工芸サミットin石川」の一環で八十人が参加。青柳館長の基調講演もあった。(榊原大騎)

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