故障者続出の駒大を救った3年生主将・田沢廉 「1秒でも前に」の快走で連覇に導く【全日本大学駅伝】
2021年11月7日 17時01分
◇7日 全日本大学駅伝 (名古屋市・熱田神宮前~三重県伊勢市・伊勢神宮前の8区間106・8キロ)
駒大が5時間12分58秒で2年連続14度目の優勝を飾った。7区でエースの田沢廉(3年・青森山田)が3人抜きでトップに浮上。続く8区で青学大とのデッドヒートを制した。10月の出雲駅伝を制した東京国際大は5位だった。
◇
故障者続出で苦闘するチームを、主将の田沢が学生ナンバーワンの看板通りの走りで救った。トップと1分36秒差の4位でたすきを受けると「チームで自分が1番いい走りをしないといけない」と猛追。13キロ過ぎで先頭に立ち、逆に18秒の貯金をつくった。
最終8区では花尾恭輔(2年・鎮西学院)が青学大に並ばれたが、残り2キロからのロングスパートでゴール。田沢の生んだリードも花尾に余力を生み、8秒差で宿敵に競り勝った。大八木弘明監督(63)が「ヒヤヒヤしたよ」と苦笑する僅差での2連覇だ。
ベストメンバーには程遠かった。日本選手権1万メートル3位の鈴木芽吹(2年・佐久長聖)ら主力に故障者が相次ぎ、今大会で掲げた目標は「3位以内」。5位にとどまった10月の出雲駅伝のように、苦戦が予想された。
田沢は「出雲の後、『自分のやり方が間違っていたのか』と思い悩んだ」と言う。言葉より背中で引っ張る3年生主将は、今大会を前に「責任ある走りをしよう。1秒でも前に」と意を決して語りかけた。
1区では1年生の佐藤条二(市船橋)が区間新。4区では駅伝初登場の赤星雄斗(2年・洛南)が2人抜きの粘走。主力の代役を務めた経験の少ない選手たちが、田沢のゲキに応えた。
2連覇が懸かる箱根駅伝が2カ月後に控える。田沢は「チームの底上げができた。主力が戻れば、最初から最後まで1番でいけるレースができる」。主力不在のピンチを奇貨に、駒大が自信を深めて正月を迎える。
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