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「ラーメン小、ヤサイ・アブラ増しせず」トレセン内競走馬は“3食二郎生活”【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】

2021年11月5日 06時00分

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7歳でもまだまだ若い!坂路で追い切るクリンチャー

7歳でもまだまだ若い!坂路で追い切るクリンチャー

◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」
 クリンチャーの3日の栗東坂路51秒9には驚いた。7歳にしての自己ベスト更新である。外見は非常に若い。いわゆる週報2誌の誌上パドックではどちらも3歳ホープのメイショウムラクモと写真が並んでいる。腰周りが張って滑らかで、光の加減もあるのだろうが、毛づやもクリンチャーの方が明るい。仮に両馬とも初見で「クリンチャーの方が3歳だ」と言われたら、きっとダマされる。昨年みやこSを勝った当時と比べても、若返っているようにすら映る。
 平地競走馬としては「高齢」扱いされる7歳にしてこれだけ充実させるには、とにかくカイバを食べてもらうのがベースとして必要だ。宮本師を直撃したらやはり。「毎日の3回飼い付けをしっかり食べてくれる」と、馬の食欲に感謝していた。
 食わし込むことは、外からは見えづらい地味な部分だが、調教師にとっては腕の見せどころだ。在厩で臨戦態勢にある現役競走馬のエネルギー要求量は、文献によって若干のばらつきはあるものの、馬体重450キロの馬で30メガカロリーを超える。
 成人男性で「1日2000カロリー強」などと言われるが、これは単位に「キロ」が省略されている。シンプルに割って15倍。体重比を補正しても2・5~3倍だ。
 高カロリー食の代表のように言われるラーメン二郎が(店によっても異なるが、ここはひとつ目をつぶってほしい)「ラーメン小、ヤサイ・アブラ増しせず」で約2000カロリーと言われる。競走馬はトレセン内で(体重補正した計算で)“3食二郎生活”を送っている勘定になる。
 東京から離れるはめになって、記者は黄色い店構えの二郎にはとんとごぶさただ。札幌は函館からの週末移動。並ぶ時間的余裕はなかった。今夏、新潟臨場が一度あったが、これも競馬場帰りでは営業時間中に間に合わなかった。休催中の京都も、行ったとしても週末の開催だから事情は同じ。「渇望の今、1日限定ならできるかもしれない。三田→松戸駅前→茨城守谷のはしごで!」との考えも頭をかすめるが、冷静に考えれば43歳には1日1食が限界だろう。摂取カロリーに換算してみると、サラブレッドのアスリートとしての食の偉大さがよく分かる。

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