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検証 衆院選しずおか<下> 有権者、自民にお灸

2021年11月3日 05時00分 (11月3日 05時01分更新)
参院補選と衆院選の応援に入り、支持を訴える岸田文雄首相(左から2番目)=10月21日夜、浜松市中区で

参院補選と衆院選の応援に入り、支持を訴える岸田文雄首相(左から2番目)=10月21日夜、浜松市中区で

 保守地盤の強い静岡3区、ベテラン議員が守ってきた8区で議席を失った自民党。いずれも比例復活したものの、初めて一騎打ちに持ち込まれ敗北を喫した。
 3区で立憲民主党の候補に一万一千六百八十九票差で敗れた自民の宮沢博行さん(46)は「国民の不満、不安、不信があった」と振り返る。コロナ対応だけでなく、森友・加計学園や桜を見る会など政治の私物化問題、同党議員の選挙買収事件など、これまでに自公政権が抱えた負の遺産は「総裁の顔を変えても払拭(ふっしょく)されていない」と感じたという。
 8区の自民県議も「有権者は、政権交代はないと分かっていて、ある意味安心して政権にお灸(きゅう)をすえた」。新政権を発足させたばかりの岸田文雄首相が県内入りしても、確かに熱気は欠けていた。参院静岡選挙区補欠選挙が告示された七日に静岡市、衆院選公示後の二十一日に浜松市で演説。計四千人(陣営発表)を集めたが、「演説を聞いても盛り上がらなかった」との声は少なくない。
 熱のない衆院選で、各候補者が支持組織頼みの選挙戦を展開せざるを得ない中、自民が懸念したのは川勝平太知事の動きだった。
 衆院選投開票の翌日。自民党県連の野崎正蔵幹事長は記者会見で、一週間前の参院静岡補選敗北の影響を問われ、「『静岡ショック』はマスコミがつくった言葉。影響を関連づけようとしているのはメディア」と反発した。
 背景には、参院補選で「県民党党首」を自称し、無所属候補勝利に貢献した川勝知事へのけん制がある。知事は参院補選におさまらず、衆院選にも参戦。立民候補の応援演説で「岸田首相はリニア推進を国交相に指示した」、「(自民候補は)岸田政権からは全く相手にされていない」などと批判し、自民陣営の神経を逆なでした。
 野崎幹事長は会見で「知事はどこに軸足を置いて県政を引っ張っていくのか。自民党は県民ではないのか」と疑問を投げかけた。
 自民党県連は、県議会(六十七人)で四十人の最大会派「自民改革会議」を形成する。二日には衆院選後初の役員会を開催。県の来年度予算案への対応を含め、川勝県政に会派としてどう対峙(たいじ)するかが議論されたが、参院補選敗北の総括を求める意見が出るなどして、まとまらなかった。
 怒りの収まらない会派幹部は吐き捨てる。「知事にあれだけ言われて黙っているわけにはいかない。戦闘開始だ」
(この連載は大杉はるか、牧野新が担当しました)
衆院選2021
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