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<三河撮りある記>(95) 製材会社「西垣林業」豊田工場

2021年11月4日 05時00分 (11月4日 12時37分更新)
 

 約三ヘクタールの敷地に入ると、数え切れないほどの丸太に圧倒される。豊田市御船町にある製材会社「西垣林業」の豊田工場だ。主に豊田市産の木を製材し、その七割ほどを県内の問屋や加工メーカーに搬出している。

県内で伐採され、集められたヒノキやスギの原木=豊田市御船町の西垣林業豊田工場で

 工場ができたきっかけは、二〇〇〇年の東海豪雨で発生した土砂災害。人工林が放置されて木が過密に生えたことで、根を地中に十分に張ることができず、豪雨で次々に倒れた。木材の地産地消を進めようと市は製材工場を誘致。奈良県桜井市に本社を置く西垣林業が選定され、一八年六月に豊田工場の操業が始まった。
 一九年度は約三万立方メートル、約三十万本の木を処理した。二〇年度は約三万五千立方メートルで、本年度は約四万立方メートルを目指している。建築資材だけでなく、牧場や製紙工場で使われるおが粉も、出荷量のうち三分の一ほどを占めている。
 スギやヒノキなどの調達先は県森林組合連合会が中心。工場に運ばれた木材はまず、直径や曲がり具合ごとに自動選別機で仕分けられる。その後、機械で樹皮をむき、板や柱に整備。約一カ月自然乾燥させ、さらに五〜七日間乾燥機にかけ、建築用として認められる含水率15〜18%まで落とす。むかれた皮は敷地内のボイラーで焼き、木材乾燥の燃料とする。
 豊田工場ではほとんどの工程を機械化。中でも広さ約三千三百平方メートルの製材工場棟は、機械がごう音で動き、木くずが絶えず舞い上がる迫力だ。中で働いているのはパートらを含めて約三十人ほどだという。
 同社は名鉄豊田市駅東口広場「とよしば」も整備した。藤本光義工場長補佐(64)は「今後も地産地消。豊田市が掲げる森づくりの構想に協力したい」と話した。
 (文・籔下千晶、写真・太田朗子)

 西垣林業 1912(明治45)年、奈良県で創業。豊田工場は豊田市と賃貸借契約を結んで運営している。県森林組合連合会と協定を締結して木材を供給してもらうことで、安定的な数量と価格を維持してコストを削減。豊田市内の高校生を積極的に採用するなど地域経済活性化にも努めている。

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