本文へ移動

3強対決これほどしびれた戦いはあっただろうか エフフォーリアは時代の頂点まで上り詰めたに値する【本城雅人コラム】

2021年11月1日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
エフフォーリアで天皇賞・秋を制し、ウイニングランで喜びを爆発させる横山武

エフフォーリアで天皇賞・秋を制し、ウイニングランで喜びを爆発させる横山武

◇コラム「ぱかぱか日和」
 3強対決は過去にいくつもあったが、これほどしびれた戦いはあっただろうか。そう思ってしまうほど名勝負だった。エフフォーリアは3強の中ではG1タイトルの数も、そして19年間勝っていないという3歳馬であることからももっとも厳しい立場にいた。オッズもコントレイル2・5倍、グランアレグリア2・8倍に対し、3・4倍と少し離された。だが前週の菊花賞を制した22歳の横山武史騎手に導かれ、完璧なレース。5歳世代ではクロノジェネシスとともに最強と評価されるG1・5勝のグランアレグリア、そして4歳世代の三冠馬コントレイルを破ったのだから、この時代の頂点まで上り詰めたに値する。
 レースを引っ張ったのは父、典弘騎手が乗るカイザーミノル。60秒5という前半1000メートルは、切れ味ではライバル2頭に劣るとみられていたエフフォーリアには決して理想の展開ではなかったはずだ。ゆったりした流れにいち早く気付いたかのようにルメール騎手は2番手につける。直線に入ってそのグランアレグリアが先頭に立つが、横山武騎手は慌てなかった。エフフォーリアの脚を信じてしばらく我慢してから追い出す。エフフォーリアの内に入っていた福永騎手はコントレイルを外に出すしかなく、その後、内に少しもたれたこともあって最後までエフフォーリアをとらえ切れなかった。だが誰がどんなにうまく乗っても、この日の横山武史にはかなわなかったのではないか。
 レース後は感極まって涙した横山武史騎手は完全に今年の主役である。皐月賞を制し、日本ダービーでは鼻差敗れた。しかしダービーも勝っていたら、三冠を狙わざるをえなくなりエフフォーリアは菊花賞に向かっていたかもしれない。そうなっていれば前週のタイトルホルダーの優勝も、この日の3強対決も生まれていなかった。すべてがドラマとなって続いている。まるで「武史の時代」到来を告げられているようだ。(作家)

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ