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ラモス編集長は「森保ジャパン」を熱烈応援!「豪州戦での勇気ある決断」を高く評価【月刊ラモス】

2021年10月30日 06時00分

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月刊ラモス

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  • ラモス編集長は森保監督の人心掌握術も高く評価
 W杯アジア最終予選第4戦のオーストラリア戦(12日・埼玉ス)に勝利し、とりあえず一息ついた森保ジャパン。しかし、2勝2敗でグループ4位と、いまだ崖っぷち状態であることに変わりはない。それでも月刊ラモスのラモス瑠偉編集長(64)は「監督が今代わったとしても、リスクが大きくなるだけで、メリットは少ない。選手も森保監督を信じて、最後まで戦い抜いてほしい」と森保一監督(53)の続投支持を強く訴えた。11月のアウェー連戦で折り返しを迎え、特に初戦で敗れたオマーンとの一戦は予選突破の鍵となる。勝利を求められる2連戦。ラモス編集長は「時には勝負に徹して非情になることも必要だ」と檄(げき)を飛ばした。
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 月日の流れを感じる。この原稿が掲載されるのは2021年10月30日。1992年10月29日は、広島で行われたアジア・カップの開幕日であり、11月8日、日本は決勝でサウジアラビアに1―0で勝利し、初めてアジアを制した。
 翌93年の10月28日、W杯アジア最終予選で、日本はロスタイムの失点でイラクと2―2で引き分け、得失点差でW杯出場を逃した。私も日本代表の一員として必死に戦い、W杯の舞台を目指していたが、その夢が破れた瞬間だった。しかし、その敗戦はJリーグの誕生に向け、大きな起爆剤となった。日本サッカーの歴史が、大きく前進し始めた2年間だった。
 あれから30年が過ぎようとしている。日本は6大会連続でW杯に出場し、3度16強に進出した。さらなる高みを目指して、森保ジャパンは戦っている。そろそろ本題に入ろう。私は誰が何と言おうと、森保監督の続投を支持する。今回の月刊ラモスでは、その根拠を示したい。
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 窮地に追い込まれたオーストラリア戦で見せた森保監督の勝負強さについては、高く評価されるべきものだと考えている。あの状況で4―3―3システムという勝負手を決断した。勇気ある決断であり、結果として狙い通り勝ち点3を手にした。決勝点はオウンゴールだが、大事なのは勝利という結果だ。
 あの危機的状況の中、サウジアラビアに敗れてから移動を挟み、中4日で3トップに切り替えた。試合開始から用いるのは初めてで、これを短時間で選手に理解させ、浸透させた。それまで3試合でわずか1得点。点を取るんだという強烈なメッセージがこのシステムには込められていた。
 戦い方としてはシンプルだ。あれほどこだわったMF柴崎(レガネス)をスパッと先発から外し、守備力の高い遠藤(シュツットガルト)、守田(サンタクララ)、田中(デュッセルドルフ)のトリプルボランチで中盤を構成。この3人を軸に素早いアプローチでボールを奪い、3トップに預ける、または一度ポゼッションしてサイドから崩す。中盤の守備力が高いので、DFラインの負担が軽くなり、両サイドバックが積極的に攻撃参加できるようになり、サイド攻撃が分厚くなった。その狙い通り前半7分、MF南野(リバプール)のクロスを田中が決めた。
 その後、一度は追い付かれたが、残り15分を切ったところで南野を見切り、一発のあるFW浅野(ボーフム)を投入。その浅野のシュートが、決勝のオウンゴールにつながった。戦略の切り替え、選手交代、私は森保監督の采配と決断が、日本に大きな勝利をもたらしたと断言する。
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 それまでの3試合も、森保監督の采配は決して間違っていたとは思わない。開幕のオマーン戦(9月2日・パナスタ)は明らかに準備期間不足。東京五輪で3位決定戦まで戦い、A代表の準備は3日だけ。欧州組のコンディションはバラバラで、その調整だけで本番をを迎えた。一方のオマーンは1カ月の準備期間を設け、徹底的に日本のサッカーを研究し、シミュレーションした。確かにこの試合、してやられた感はあったが、この試合だけで森保監督の手腕に疑問符を付けるのは、あまりに酷だ。
 中国戦(同7日・ドーハ)も時間がない中で準備を整え、1―0ではあるが勝ち点3を手にした。評価が分かれるのはサウジアラビア戦だろう。柴崎のバックパスをかっさらわれ、決勝点を献上し、痛い黒星を喫した。しかし、この試合、日本は3回、決定的なチャンスをつくっている。それでも負ければ責任を問われる。監督とは因果な商売だ。
 11月のベトナム、オマーンとの連戦(11、16日)ではオーストラリア戦で負傷交代したFW大迫(神戸)の招集が流動的だが、FW古橋(セルティック)を先発起用するチャンスでもある。古橋をトップで起用する場合には、守田と田中のサポートが鍵を握る。いかに古橋を孤立させないように距離感を保つか。いい形でサポートできれば、スルーパスから一気にゴールが狙える。
 ベルギーのサンジロワーズで結果を残しているMF三笘の招集に関しても絶好の機会だ。サンジロワーズでは途中出場ながらハットトリックを達成。その後、スタメンで起用されるとPKをゲットするなど持ち味を発揮。鉄は熱いうちに打てだ。後半残り30分、15分のジョーカーとして三笘を置いておけば、大きな戦力となるだろう。
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 森保監督にも変化を求めたい。森保監督は、人心掌握術にたけている。最終予選でここまで追い詰められながら、選手から不平、不満が出ることはなかった。選手を気遣い、選手に寄り添う。だからこそ、選手の信頼は厚い。その信頼感が強い結束力を生み出し、第一の危機を乗り切った。
 ただ、選手に気を使いすぎるというか、優しすぎる一面もある。指揮官は時に、心を鬼にして非情な決断を下さなければならない。オーストラリア戦で柴崎をスタメンから外したのは勇気ある決断だった。しかし、これから先、もっと大きな決断を下さなければならないときが来るだろう。そのとき、決して迷ってはいけない。
 世界を知る外国人監督待望論も耳にする。しかし、厳しい状況下、時間的余裕がないことを考えれば、現実的ではない。日本の文化や日本人の気質、チームや選手の状況を理解していない外国人をいきなり監督に据えても、チームが一気に崩壊するリスクの方がはるかに高い。
 以上のことから、この予選を戦い抜くためのベストの選択は森保監督である。これが森保一を熱烈に応援している私の結論である。(元日本代表)

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