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焼津・カツオ窃盗容疑 漁協職員ら、さらに3人逮捕

2021年10月28日 05時00分 (10月28日 09時42分更新)
 焼津港(焼津市)で水揚げされたカツオを無断で抜き取った窃盗の疑いで焼津漁協職員ら四人が逮捕された事件で、県警は二十七日、新たに同漁協職員、青野友成容疑者(31)=同市小土=ら三人を逮捕した。別の窃盗に関わったとして、既に逮捕されていた四人を再逮捕した。
 この事件で漁協職員が逮捕されるのは二人目。県警は、長年にわたって漁協が組織的に窃盗に関わっていた疑いがあるとみて調べている。
 新たに逮捕されたのは、ほかに水産加工会社「カネシンJKS」(同市浜当目)の元社長進藤一男容疑者(60)=同市大村新田=と、元漁協職員で船会社「大洋エーアンドエフ」焼津営業所(同市栄町)の社員山本雅基容疑者(30)=藤枝市若王子一。
 再逮捕されたのは同漁協職員の吉田稔(40)、カネシンJKS元常務取締役の奥山善行(47)、いずれも運送会社「焼津港湾」(焼津市野秋)社員の白鳥賢(さとし)(47)、杉山智良(43)の四容疑者。
 逮捕、再逮捕容疑は、進藤容疑者と青野容疑者は再逮捕された四人と共謀し、二月八日に焼津市内の魚市場で、冷凍カツオ約四・五トン(時価合計約百万円)を盗んだとされる。山本容疑者は再逮捕された四人と共謀し、四月三十日に冷凍カツオ約四トン(同約七十四万円)を盗んだとされる。
 焼津署によると、社長だった進藤容疑者の指示で、奥山容疑者らが窃盗を主導。奥山容疑者と、同漁協の計量責任者だった吉田容疑者が取り仕切り、奥山容疑者が吉田容疑者らに報酬を渡していた。盗んだカツオは冷凍倉庫で所有者名義をカネシンJKS名義に変更していたとみている。

◆「チェック役」相次ぎ逮捕

 冷凍カツオ水揚げ量日本一を誇る焼津港での窃盗事件は、水産物の適正取引を推進すべき漁協職員と元職員計三人が逮捕される事態に発展した。関係者によると、カネシンは盗品を安く買い上げ、関与した漁協職員らに一回十万円ほどの報酬を支払っていた。
 水揚げされた冷凍カツオは競りに掛けられた後、コンテナに入れて計量される。関係者によると、新たに逮捕された漁協職員と元職員の二人は計量業務の一端を担う「帳付人(ちょうつけにん)」だった。カツオを運ぶトラックのナンバーを控え、正規に流通していることを示す「計量証明書」にトラックの情報を書き入れていたという。
 吉田容疑者から抜き取りを指示された運送会社の社員が計量の際、帳付人の二人に「話は通してある」と伝えると、二人は「例のやつね」と一部を計量を通さず、黙認していたという。
 三十年ほど前から繰り返されていたとみられ、同漁協の幹部は取材に「代々引き継がれていた可能性はある」と認めた。今回は、盗まれたカツオが刺し身やたたきに使われる鮮度の高い「PS」と呼ばれるカツオ。流通先が被害に遭った会社の子会社に限られていたことなどから発覚した。漁協の顧問弁護士によると、事件を把握したのは三月。防犯カメラにカツオを計量せずに運び去るトラックが写っていた。漁協が設置した調査委員会は来月中旬にも調査報告書を公表する。被害に遭った船会社の関係者は「膿(うみ)を全て出し切ってほしい」と語った。

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