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現役自衛官がプロボクサーデビューへ 「機密事項」だらけ異色の肩書き、スパーリングで見せた強さ評判に

2021年10月26日 18時02分

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現役の自衛官ながらプロボクサーデビューする吉田純也

現役の自衛官ながらプロボクサーデビューする吉田純也

◇羽ばたけ中部勢
 現役の自衛官がプロボクサーデビューする。岐阜ヨコゼキジムの吉田純也(24)が、11月28日に刈谷市あいおいホールで犬塚音也(19)=松田=とのバンタム級4回戦に臨む。吉田はボクシング界でほとんど例のない現役自衛官。国家公務員のため副業はできず、ファイトマネーは全額寄付する。
 異例の肩書を持つ吉田がリングに上がる。岐阜県内で勤務している現役自衛官。「国家公務員です」ということ以外は、従事している業務など一切口にはできない。国を守るという重要な役目。機密性が非常に高く、具体的なことが言えないのも致し方ない。
 ボクシング界では、杉田ダイスケ(ワタナベ)が現役警察官ボクサーとして知られている。警察官、弁護士などの肩書を持つボクサーはいる。自衛隊学校に在籍し、アマチュアボクサーとして五輪出場の例もある。ただ、現役自衛官のプロボクサーは極めて異例。岐阜ヨコゼキジムの横関孝志会長(58)も「うちでもライセンスを取った自衛官はいたが、デビューしたのはいない。聞いたことがない」と話す。
 国家公務員であるため、副業は原則できない。そのためファイトマネーは全額寄付する。その条件でプロデビューする許可を得ている。ひとり親家庭で育ったという吉田は「ひとり親家庭を支援しているところに寄付しようと思っています。僕もそういう育ちだった」と、同じ境遇の人たちのためにと考えている。
 元々は「モテるかな」と思って始めたボクシング。すぐに夢中になり、半年足らずで自然とプロを目指すようになった。ただ、20歳のときから3年ほどボクシングを離れた。自衛官になったが、夢だったボクサーへの思いは捨てきれなかった。今年4月に岐阜ヨコゼキジムの門をたたいた。
 7月に実施された中日本地区のプロテストに合格。スパーリングで見せた強さが、各ジムの間で評判となっている。横関会長は「パンチがあるし、器用。良いものを持っている」と評し、「本人が新人王を取りたいなら、来年は目指したい」と期待を寄せる。
 「目標は世界チャンピオンとかではなくて、本当にボクシング自体が好き。試合ができるなら、どんどんファイトマネーで寄付をしていきたいと思っています」と吉田は言う。業務など忙しい日々を送っており、ジムワークは思うようにできない。任務次第では、いつまでボクシングができるかも分からない。一戦必勝。異色のファイターが拳を振るう。
▼吉田純也(よしだ・じゅんや) 1997(平成9)年6月5日生まれ、大阪府東大阪市出身の24歳。身長166センチ。東大阪市立金岡中学校1年のときにレンゴージムでボクシングを始める。20歳の時から3年ほどボクシングから離れたが、仕事で岐阜へ移り、今年4月に岐阜ヨコゼキジムに入門。7月にプロテストに合格した。

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