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かつて心理戦となる長距離戦はベテラン有利と言われていたが【本城雅人コラム】

2021年10月25日 06時00分

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ガッツポーズを見せる横山武史

ガッツポーズを見せる横山武史

◇コラム「ぱかぱか日和」
 先日フランスに行き、凱旋門賞の前日のレースで念願だった名馬のレースを生観戦した。その馬とはストラディバリウス。4歳のヨークシャーCから5歳秋のドンカスターCまで2770~3990メートルの重賞を10連勝、その後も走り続け、32戦19勝。この中にはアスコットゴールドC連覇、グッドウッドC4連覇など輝かしい勝利がある。私が見たカドラン賞はトゥルーシャンに離された2着だったが、デットーリ騎手の手綱で直線伸びかけた時には、観衆が総立ちになった。
 まさに長距離界のスターホース。だが7歳の秋まで現役で走っていたのは理由があり、種牡馬としての需要が低いのだ。だからオーナーやゴスデン調教師は賞金を稼ぎながら種馬としての価値を上げようと昨年は凱旋門賞に挑戦したが、7着と結果が出なかった。
 今年は皐月賞馬と日本ダービー馬の出走がなかった菊花賞も似た現象が起きている。ディープインパクトやコントレイルなど絶対能力で勝てる自信がない限り、出走しづらい。負けたらスタミナ不足を露呈、勝ったところで「重たい」とみられて評価が下がるかもしれない。それでもストラディバリウス同様、たくさんのファンを引きつける魅力が長距離戦にはある。
 かつては心理戦となる長距離戦はベテラン有利と言われていたが、今年制したのは22歳の横山武史騎手が手綱を取ったタイトルホルダーだった。果敢にハナを奪うと、3コーナーで後続が詰めてきた時はむしろ引き付けるほど、じっくり構えた。武豊は19歳でスーパークリークで、浜中俊は20歳でスリーロールスで、川田将雅は25歳でビッグウィークで制した。若者らしい度胸の良さが見られるのも菊花賞の醍醐味(だいごみ)だ。
 それにしても今年の横山武史騎手はエフフォーリアで皐月賞1着、日本ダービーは僅差の2着。18組の人馬で、最も三冠を意識してきた男が、歓喜の雄たけびを上げた。(作家)

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