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18歳立浪のショート起用までに『2つの説』…星野さんの小芝居説と宇野さんの直球説 新監督に根尾は実力示せるか

2021年10月23日 10時06分

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7回、一塁へ適時内野安打を放つ中日・根尾=22日

7回、一塁へ適時内野安打を放つ中日・根尾=22日

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇22日 DeNA4―2中日(横浜)
 1988年春。米国フロリダ州ベロビーチキャンプで、ドラゴンズの歴史は動いた。宇野勝を二塁にコンバートし、空いた遊撃に18歳の新人・立浪和義を入れた。ただし、宇野は前年30本塁打でベストナイン。プライドもあれば、まだ29歳と体も動く。
 「それ(宇野を納得させること)が一番難しかった」。生前の星野さんは愉快そうに当時を振り返った。結果は吉と出た。立浪は新人王とゴールデングラブ賞を受賞し、チームは優勝。だが同じ当事者でも承諾の過程は少し違う。星野さんは「小芝居説」。ドジャースのラソーダ監督に頼み込み、宇野との食事の席で、こう言ってもらった。
 「マサル、君の動きはセカンドに向いている。きっと日本一のセカンドになれるはずだ」。大リーグの名将に言われ、気持ち良くなったところで自らが切り出した…。
 宇野さんは否定し「直球説」を唱える。「ラソーダさんとも朝食をよく一緒に食べたけど、そんなことは言われてない」。記憶にあるのは監督室に呼ばれた時の言葉だ。
 「打っても打たなくても、俺は立浪をショートで使う」。打診や懇願ではなく断言したのは確信があったから。「そりゃ少しはムカついたよ」と言う宇野さんだって、立浪の実力を認めていたからこそ折れた。
 「星野さんにも『どう思う?』って聞かれて『いい選手ですね』って答えた。俺より上だとは思わなかったけどね。星野さんじゃなかったら…。和義じゃなかったら…。素直にウンとは言わなかったかもね」。リーダーの度胸とルーキーの才能。2つがそろって歴史の歯車は動いたのだ。
 あれから34年。立浪さんは決断する側に回る。誰もが気になるのが根尾だろう。本人が望む遊撃手なら守備力が不安だし、外野専念なら打力が物足りない。来季は4年目。周囲を認めさせる実力を示せるか。少なくとも新監督には恩師譲りの度胸はある―。

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