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田中更 首都圏建設アスベスト訴訟原告団共同代表

2021年10月22日 16時00分 (10月22日 16時00分更新)
写真・野呂法夫                

写真・野呂法夫                

「時限爆弾」抱え、全面解決求める

 安くて耐火性にすぐれ、高度経済成長期から建築物の壁や天井の吹き付け材として重宝されたのがアスベスト(石綿)だ。だが吸い込んで体内に刺さると、数十年後に肺がんなどを発症して死に至らしめ、「静かな時限爆弾」といわれる。その健康被害に苦しんできた首都圏建設アスベスト訴訟の原告団共同代表の田中更(あらた)さん(78)。若い頃、吹き付け作業をしたのが、一九六四年十月開催の東京五輪で柔道会場となった日本武道館だ。五十七年後のいま何を思うのか。 (野呂法夫)
 -日本武道館での作業が一番大変だったとか。
 柔道が東京五輪で初めてオリンピックの正式種目となり、「武道の殿堂」として建設されました。五輪は十月十日に開幕し、二十四日までの十五日間。上棟式は五カ月前の五月十五日で突貫工事となりました。
 八角形の斬新な建物が姿を現し、大天井(おおてんじょう)にアスベストを吹き付ける作業は連日残業となり、職人たちは死に物狂いで働きました。私は二十一歳と若く、作業の後半から入り、九月下旬とギリギリに仕上げ、無事、十月三日に開館式と演武始めの儀が行われました。
 アスベストは耐火・断熱性が...

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