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2年間3勝→この3年間で28勝…現体制下で確実に伸びた中日・柳 躍進支えた伊東ヘッドと阿波野コーチの“助言”

2021年10月22日 10時03分

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阪神―中日 2回裏1死二、三塁、島田に2点二塁打を許す柳=21日

阪神―中日 2回裏1死二、三塁、島田に2点二塁打を許す柳=21日

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇21日 阪神6―1中日(甲子園)
 3回に代打を送られ、柳の4冠の大望は夢と消えた。それでも2冠濃厚。もちろんよくやった。ただ、最後まで背中を押してくれた首脳陣に、恩返しできなかったことが口惜しい。
 与田監督だけでなく、伊東ヘッドコーチ、阿波野投手コーチが今季限りでの退団を球団に申し出た。理由は「成績不振の責任を取って」。敗者は去る。それが勝負の世界のルール。しかし、それまでの2年間で3勝だった柳が、この3年間で28勝。間違いなく彼は伸びた。能力に見合った成績が残っていないのは故障が原因だということを、現体制はすぐに見抜いた。だからフィジカルが追いつくのを優しく待った。テクニックでは伊東ヘッドは「真っすぐを高めでも使え」と教え、阿波野コーチは自らの代名詞でもあったスクリューボールの握りを直伝した。
 データサイトなどでは「チェンジアップ」として分類されているが、柳自身は「落ち球」や「シンカー」と呼ぶ。スライダーやカットボールなど、右打者から逃げる球に偏っていた柳の投球の幅は、一気に広がった。今季の右打者の被打率は1割9分4厘、左は2割3分2厘。どちらも前年比で大きく改善されたのは、シンカーに磨きがかかったからだ。
 球種別の被打率も1割5分9厘(145打数23安打)。今季の柳は左打者に8本の本塁打を打たれたが、シンカーはヤクルト・村上(5月16日)の1本だけ。カウント球にもなり、勝負球にもなる万能の変化球が、今季の躍進を支えてくれた。ただ、この日は1回に島田に中前打、2回もロハスのバットを折ったが右翼線に落ちる二塁打。いずれも失点につながる安打を許した。
 あれは2月の沖縄。与田監督に呼ばれ、開幕投手を願い出た。結局、選んではもらえなかったが、大野雄とともに先発の軸となるという強い思いは伝わった。最優秀防御率と最多奪三振の2冠は、あの時の覚悟が本物だったことの証明でもあるはずだ。

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