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【企画・NAGOYA発】意外と知られていない‥長寿番組「キユーピー3分クッキング」は〝二刀流〟 CBCテレビと日本テレビで別々に番組制作

2021年10月18日 11時30分

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番組草創期のCBCテレビ版「キユーピー3分クッキング」。左は初代講師の宮本三郎さん(CBCテレビ提供)

なぜ、CBCテレビで番組がスタートしたのか


◇第1回「キユーピー3分クッキング」(その1)
 数あるテレビ番組の中で指折りの長寿を誇るのが「キユーピー3分クッキング」だ。放送は1962(昭和37)年に中部日本放送(現CBCテレビ)でスタート。現在も続く料理番組では1957年から続くNHKの「きょうの料理」に次ぐ歴史がある。
 CBCテレビは東海地方をエリアとするTBS系の放送局。中には日本テレビ系で番組を視聴した人もいるかもしれないが、それもそのはずだ。CBCテレビ以外で日本テレビでも番組が制作されており、日本では珍しい異なるネット局で別々に制作されている1社提供番組なのだ。放送開始はCBCテレビ版が1962年12月3日と一足早く、日本テレビ版は49日後の1963年1月21日に始まった。

CBCテレビに残る1962年12月3日の番組表(CBCテレビ提供)

 なぜ、CBCテレビで番組がスタートしたのか。キユーピーグループの広告宣伝部門を担うトウ・アドキユーピーの小林野映広告宣伝課長は「それまで料理番組に他の企業と一緒に協賛していた。日々お世話になっている主婦の方に何か役に立つことを提供していきたい。時間は短くていいから毎日、番組を続けたいという思いがあり、新たな番組を作ろうということになった。その時に時間帯、コスト、コンセプトに合ったものをできるところがCBCさんだったと聞いている」と話す。

日本テレビ版の「キユーピー3分クッキング」(キユーピー提供)

全国の放送局が独自に番組を作る機運が

 1960年前後の日本は高度経済成長期のまっただ中。水道・ガスの整備、家電の普及で家庭の台所が近代化されたことで料理番組が一大ブームとなっていた。CBCテレビでも1957年4月に自社制作の昼の帯番組『今晩の家庭料理』の放送を開始した。「東海の虹 中部日本放送十年史」によると、当時は月~金曜の各曜日でスポンサーが異なり、キユーピーは火曜日の番組スポンサーだったが、途中で別の企業に変わったことが明記されている。

1962年12月3日付の中日スポーツのテレビ欄

 さらに「はじめは木曜日だけ大阪テレビ(現・朝日放送)からネットを受けた」とあり、一部の曜日だけ大阪テレビ制作の料理番組『料理手帖』が放送されていたとみられるが、放送3週目からは月~金曜の5日間を通してCBCテレビ制作となり、途中から土曜枠も追加された。番組名は1958年12月に大阪の番組と同じタイトルの『料理手帖』へと変更。自社制作のスタイルも引き継がれた。
 当時の民放テレビはネット局の放送網が全国に網羅していなかったほか、物流も現代と比べて十分に整備されておらず、全国の放送局が独自に番組を作る機運があった。そこでキユーピー側が1社提供の番組を全国に提案。CBCテレビ、日本テレビのほかに、かつては北海道放送、東北放送(宮城県)、九州朝日放送(福岡県)の全国5局でキユーピー提供の料理番組が独自で制作された。
 例えば、北海道放送版は1963年10月から98年3月まで34年半の長きにわたって自局で制作され、その後はCBCテレビ版に切り替わった。東北放送版はキユーピー提供で「クッキングガイド」のタイトルで始まり、1975年6月末に「キユーピー3分クッキング」に変更された。宮城県ではその前に、現フジテレビ系列の仙台放送で日本テレビ版が放送されていた時代もある。仙台放送は日本テレビとフジテレビのクロスネット局として開局した経緯があり、番組も複雑な変遷をたどった。

CBCテレビ版の「キユーピー3分クッキング」(鶴田真也撮影)

『天気予報』を見るような身近な番組に

 不思議なのは食い倒れで知られる大阪では番組が作られなかったこと。トウ・アドキユーピーの小林課長はこれについて「1社提供ではなかったが、別の料理番組が大阪であり、そこで提供をしていた」としている。関西地区では現在、日本テレビ版が読売テレビを通じて放送されているが、開始は1974年だった。
 こうしてCBCテレビ版の『キユーピー3分クッキング』は1962年12月3日午前11時55分に現在よりも5分短い5分番組として開始された。CBCテレビには第1回放送時のレシピに関する資料は残っていなかったものの、翌63年の放送では「牛肉のシチュー」「ハンバーグバンズ」といった洋食のほか、「たけのこのゆで方と使い方」など家庭料理の基本も紹介している。

来年で番組開始60年の節目

 番組の佐藤浩二プロデューサーは「日々、料理を作られる方に、さながら『天気予報』を見るような身近な番組として、毎日の献立作りに役立ててほしい。その思いでスタートした番組は、今も変わらず簡単、便利でおいしい家庭料理をお届けしています」。東海地方で産声を上げた料理番組は来年12月に番組開始60年の節目を迎える。
(鶴田真也)
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