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あす告示 不祥事で欠員、富士宮市議会の補欠選挙 

2021年10月16日 05時00分 (10月16日 05時03分更新)
 十七日に告示される富士宮市議会の補欠選挙(被選挙数五)。不祥事による議員辞職が相次いだことから、市民は市議会に不信感や危機感を募らせ、「必要なのは定数削減では」との声も上がる。そんな異常事態での補選には、五議席を巡り十人前後が立候補を準備している。国政選挙に隠れ気味だが、こちらの激戦が問い掛ける意義は−。
 「現状の十七人でも立派にやっている。それに応じた数字で十分じゃないか」
 須藤秀忠市長は今月上旬の会見で、皮肉も交えながら定数削減の必要性に言及した。
 市議会では五月以降、女児盗撮や議長選を巡る贈賄(申し込み)事件で三人が逮捕、書類送検されて辞職。死去した人、衆院選出馬のため辞職した人を合わせた現欠員は五で、公選法の規定により補選を行う。
 九月に当時の議長が議員辞職し、新議長に選ばれた小松快造さんは「いばらの道を歩く覚悟」と決意を表明。手始めに倫理条例の制定を目指しているが、市民の反応は芳しくない。男性会社員(48)は「条例をつくっても、どれだけ効果があるのか疑問」と話す。
 補選の経費は約三千万円と見込まれ、市民からは「選挙するより定数を減らして」と議員の数に目が向けられる。
 富士宮市議会の定数二二は多いのか。同市は人口約十三万人で、同規模の県内他市と比べると、一般的な部類といえる。議会内では「市の面積が広く、人口が密集した都市とは事情が違う」など、定数削減に否定的な声が目立つ。「まっとうな理由で反対しても保身だと受け取られかねない」と、対応に悩む議員もいる。
 二十四日投開票の補選には十人前後が立候補の構え。その中には「不祥事の内容が悪質で、周りに聞くと市議会に対する諦めムードが強い。こんな状況じゃなければ、立候補しようと思わなかった」と、現状に対する危機感から立ち上がった人もいる。
 静岡大の井柳美紀教授(政治学)は「定数を減らせばいいという話でもない。地方議員のなり手不足が問題になる中、いかに議会の機能を維持していくかも大事。選挙では、政策だけでなく倫理面でも、政治への信頼を回復する機会にしてほしい」と期待する。 (佐野周平)

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