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山田杏奈、映画初出演・作間龍斗の芝居に感謝「助けられました」【インタビュー】

2021年10月15日 08時00分 (10月15日 09時05分更新)
映画『ひらいて』に主演する山田杏奈(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

映画『ひらいて』に主演する山田杏奈(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

 女優の山田杏奈(20)が主演する映画『ひらいて』が10月22日に公開を迎える。芥川賞作家・綿矢りさ氏による原作小説を、弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜氏による脚本・監督にて映画化。山田演じる女子高生・愛と彼女が想いを寄せるクラスメイト・たとえ(作間龍斗/HiHi Jets・ジャニーズJr.)、たとえの秘密の恋人である美雪(芋生悠)の歪んだ恋模様を描く。このほど、山田と作間が合同インタビューに参加。山田にとって、愛の心情が“わからない”という印象から始まった作品を、作間とともに模索しながら完成させるまでの過程を明かしてくれた。
 学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の愛。1年生の時からクラスメイト・西村たとえに想いを寄せてきた彼女はある日、彼が手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまう。悪友たちと夜の学校に忍び込んだ愛は、その手紙を盗む。手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える陰気な少女・美雪。愛は、ふたりが密かに交際していることを知り、熱い恋心が乱反射する。そして自らの気持ちを隠して美雪に近づいていく愛。そこから愛と美雪、たとえの絡み合った三角関係が始まる。
――たとえへの恋心が暴走し、美雪に接近していく愛の行動は突拍子もなかったり、これまでの“青春映画”とはまた違った角度の作品です。お二人が脚本を読んだときの印象を教えてください。
作間龍斗「脚本がなかなか理解できなかった。映画のお仕事をするのも初めてですし、これをどう映像にするのだろう、というところからその時は不安ばかりでした」
山田杏奈「キラキラとは、ほど遠くむしろ、愛はギラギラしている。愛の行動は私も正直、演じると知った上で脚本を読んでも『やばい、全然わからない』って(笑)。愛の突拍子もない行動は、ちょっと暴力的で、みんなが、心のなかではやってみたいと内に秘めている要素なのかもしれないですな。それが美雪やたとえと関わるにつれて変わっていく、それぞれが“ひらいて”いく。全力で愛を体現できればと思いました」
――作間さんはご自身が演じられた、たとえに対してどういった印象を持たれましたか。
作間「“作間龍斗”の外見だけを観た印象だな、って(笑)。中身だと全く別の印象というか、要するに外見だけの作間です。ただ、共通点は結構ありました、これに対してこう思う、とか。自分と重ねながら、たとえのキャラクターを自分のなかで構築していった感じです。僕もグイグイこられる感じは苦手なので、わかるよ、と(笑)」
――作間さんは今回、映画初出演です。このような大抜てきをされた際の心境はいかがでしたか。
作間「最初にお話をいただいたときはすでに台本が完成している状態で『ひらいて』という小説の実写化です、と言われて口がひらきました(笑)。本当ですか。僕が映画ですか、とびっくりして実感がわくのに時間はかかりました。ひとまず小説を読んで情報を入れたんですけどしばらくソワソワしていました。すごいことに関わらせていただくんだと実感していった感じです」
――ファンの方もざわついていたと思いますが――。
作間「話題として取り上げていただいたことで、HiHi Jetsのなかでも映画出演は初めてだったので、いろいろな方に『おめでとう』と言っていただけて、とてもうれしかったです」
――山田さんは、映像作品出演のキャリアがまだ少ない作間さんとの共演について印象はいかがでしたか。
山田「たたずまいというか、たとえを作間くんがやられると聞いたときに『たとえっぽい~!』と思いました。たとえと作間くんに違いはあると思うのですが、その場にスッといる、どしっと構えているのはすごく共通してると思います。年齢は2つ違うんですけど同級生の役ですし、そこは気を遣うことがなく、たとえとしていつも頼りになる存在でした」
――山田さんはMBS/TBSドラマイズム『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(2020年7月)ではHiHi Jetsの井上瑞稀さんと共演されています。
山田「実は『ひらいて』で作間くんと共演することの方が先に決まっていて、『荒乙』では、井上くんと一緒になり続けてお世話になりました。『荒乙』の現場でも作間くんと一緒になることは井上くんと話していて、その数ヶ月後に『ひらいて』のクランクインだったので、『“荒乙ダンス”踊れるらしいね?』みたいな。ありがたかったです。おふたりとも本当にまっすぐな方で、仲良しだと聴いたのですごくすてきだと思いました」
――作間さんは『荒乙』も観ていて、山田さんの印象は変わりましたか?
作間「僕の第一印象は『山田杏奈さんだな、いるんだな』、と芸能人を見る感じでした。話は井上から『優しい方だよ』と聴いていたので。本当にその通り、優しく頼れる方だと思っていました」
――なにか山田さんに助けられた部分や引っ張られた部分はありましたか。
作間「その場にいらっしゃる雰囲気が完成しているから、姿を見ているだけでついていきたくなる。撮影の間も、スタッフさんとたくさんコミュニケーションをとられていて、ちゃんと気が遣える方なのだと思いました。山田さんの人間性で現場が動いている感じはありました」
――対して、山田さんは今回の、作間さんのフレッシュな部分に影響された部分はありましたか。
山田「本当に作間くんとお芝居するたびに、たとえに、のらりくらりとかわされる感じが、作間くんならではのお芝居で、それがすごくたとえっぽいなと。どのシーンでもお芝居しながら、どうやったらこの人に入り込めるのだろうと、愛の感覚で演じる上で、たとえのお芝居に助けられました」
――作間さんが演じることでたとえの掴みづらい感が表現されていましたね。
山田「何考えてるんだろう、みたいな(笑)」
――作間さんは、そういった山田さんの演技に引き込まれたシーンはありましたか。
作間「基本的に、ずっとお芝居を一緒にしてるときは圧倒されている感じで、一歩引いている感じではあるんです。本当にお芝居を語れる人間じゃないので、こういう風に作り込んだとかはなく、セリフで伝えるところで、極力、努力しました。どのシーンも『やばいやばい』と圧倒されていて、後ずさりしている感じがうまく表現されていたのではないかなと思います」
■“わからない”というところから始まった作品 監督の熱量に「火を付けられた」
――作品を通して、序盤、中盤、終盤で、それぞれに気持ちの作り方は変わってきたと思うのですが、自分で意識したことや監督に言われて印象に残っていることは。
作間「毎回、撮影を始める前に、監督と話し合ってから演じていたので、どのシーンも監督の撮りたいものを確認してから、できるだけ沿う形で演っていました。気持ちのもっていき方も言葉にしていただき、監督がやりたいことを言ってくださったので、どう演じればいいか、わかりやすかったです」
――愛は本当に感情の揺れの大きい役です。ご自身のメンタルのバランスを取るのは難しかったですか。
山田「確かに出ずっぱりだったこともあって地方で撮影していたので、家に帰ってリセットすることもできず、いつもよりは『くらってるな』という感覚はありました。でも、今回は“わからない”ところから始まったので、そこをどう表現していくか、たとえや美雪とのお芝居のなかでどう愛が感じるのか、監督と話すことは肝になりました。大変だったけど苦になったわけではなく、愛が成長していくさまを感じるのはおもしろかったです」
――首藤監督にとって原作はとても思い入れの深い作品だと聴いていますが、山田さんはそういった想いを受けて、愛を演じるのはどのような心境でしたか。
山田「私は愛のことがあまりわからなかったのですが、監督が一番、愛をわかっているのが悔しかったです。監督がこれだけ愛をもっている作品だからどうしたらいいのか。その分話し、『わかりません』と何度も言いました。監督が同世代の女性であることもあって、同じ目線と熱量で返してくれていたので火をつけられましたし、もっとできると思わされて、ある意味、一緒に愛を作ったと思えました。(共感できるところが)あまりないんですよ。でも気が強いところは私もあるし、『ここまでできたら気持ちいいよな』というところはありますね」
――『わからない』というところから始まったこの作品の魅力を改めてどう感じていらっしゃいますか。
山田「演じているときが、愛が一番嫌いでした。愛に共感する人がいないと成立しないので大丈夫かな、と思っていました。改めて試写を見ると、面白いな、と思って愛を見れる部分がありました。『あるある!』も、描かれているので、安心しました。日を置いてみて愛を客観視できて、すでに試写を観た若い女性で好きと言ってくれる人も多くて、意外とその狂気性は他人事じゃなく、日常のなかでありうることなのだと気付かされました」
作間「正直、台本や撮影をした部分だけだと完成品は想像がつかなかった。自分が出ているシーンでもカメラを通すとこんな風に映るんだな、と試写も『すごい』みたいな、感覚でした。学生独特の気持ちの乱れみたいなのは、当時学生だったのでわかる部分があって。愛の暴れ具合はやっぱりすさまじい。映像で見てもすごい。でも、非現実的ではない。意外と現実でもあるのではと思いました。突き詰めていったらああいう心情になる人もいると思う。それをクローズアップして映像化したものなのかな。どこに共感するかはそれぞれにせよ、意外と共感する方はいるんじゃないかなと思います」
【作品情報】
『ひらいて』
監督・脚本・編集/首藤 凜
原作/『ひらいて』 綿矢りさ(新潮文庫刊)
出演/山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets / ジャニーズ Jr.)、芋生 悠、山本浩司、河井青葉、木下あかり、板谷由夏、田中美佐子、萩原聖人、ほか
10月22日より全国公開

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