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あすから茶碗まつり 2年半ぶり対面開催 九谷焼業界に元気注入

2021年10月15日 05時00分 (10月15日 10時45分更新)
九谷茶碗まつりでの販売に向けて制作した作品を紹介する子どもたち=能美市湯野小で

九谷茶碗まつりでの販売に向けて制作した作品を紹介する子どもたち=能美市湯野小で

 九谷焼の一大イベント、九谷茶碗(ちゃわん)まつりが十六、十七の両日午前九時〜午後五時、能美市の九谷陶芸村(泉台町)と根上総合文化会館(大成町)をメイン会場に、市内の九谷焼販売店も含めて分散開催される。対面での開催は約二年半ぶり。新型コロナウイルス感染対策を取りながら、今回限りの値打ち品を用意し、来場客を迎える。
 例年は駅などと会場を結ぶシャトルバスを運行していたが、三密防止のため取りやめる。会場が混雑した場合は入場を制限する。飲食品の販売もやめる。
 一方で各店は、三万五千円相当の九谷焼商品が五千円で購入できる「のみ感謝袋」を一日先着一人、一袋に限って販売する。県陶磁器商工業協同組合(同市)の東浩一理事長は「開催は感謝あるのみ。お客を安全で安心して迎えるよう、十分対応したい」と話す。

苦境学んだ湯野小児童 手作り品を出品

 九谷茶碗(ちゃわん)まつりでは、能美市湯野小学校の4年生41人も出店し、手作りの九谷焼作品を販売する。地元の伝統工芸の九谷焼を調べるうち、魅力だけでなく業界の厳しい現状も知った子どもたち。保護者らの後押しも得て、業界を元気づけようと開店準備を進める。(平野誠也)
 四年生が開くのは「九谷焼ハッピーショップ」。茶碗まつり会場の一つ、九谷陶芸村(同市泉台町)そばにある市九谷焼美術館五彩館内の一角で、箸置きや招き猫、小皿、髪飾りなど約四百点を用意する。小皿なら一個二百円と三百円、箸置きは一個百円と二百円。両日とも午前十時〜正午と午後一〜三時に交代しながら店に立ち、接客する。
 同校は、古くから九谷焼関連の産業が盛んな地域にあり、校内の陶芸室で児童が地元の作家らに教わりながら電気窯を使って制作に取り組んでいる。
 四年生は六月、総合学習の時間に九谷焼の販売店や工房計六カ所を訪れ、仕事の内容や商品、売れ行きなどを聞き取った。生活様式の変化に伴う生産の減少、コロナ禍で大幅に落ち込んだ来客数。一方で、若い担い手も奮闘していること…。「すごく興味、関心が深まった」と担任の北川茂教諭は振り返る。
 出店を学校側に提案したのは九谷焼作家の沢田千絵さん。四年生の母親でもあり、かつて児童がインターネット上のフリーマーケットで作品を販売したことを知っていた。コロナ禍で昨年中止となった茶碗まつりは今年、五月の大型連休中に予定された開催が秋に延期。沢田さんは「秋に開かれるなら、販売にもチャレンジしてみては」と打診した。取引先でもある九谷焼製造販売の北野陶寿堂(泉台町)も、協力に動いた。
 茶碗まつりの今月開催が決まった九月、北川教諭から出店の話を持ち掛けられた四年生は大喜び。沢田さんらの指導で作品を仕上げた。出店に向けて決めた実行委員が中心となって手書きのチラシを作り、作品の価格を決定。店での係の分担を決め、接客時のあいさつの練習もした。
 「九谷焼業界の人たちに元気になってほしいという願いと、九谷焼に興味を持つ人が増えてほしいという願いで、お店を出すことにした」と実行委員長の東樹希(いつき)君(10)。副委員長の安達華花さん(10)は「笑顔を忘れずに販売したい」と意気込む。
 北川教諭は「自分たちで考え、作って、売るという具体的な活動の中で九谷焼を身近に感じてもらえれば」と期待する。収益については今後、子どもたちと使い道を話し合うという。

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